2021 Fiscal Year Research-status Report
遺伝性パーキンソン病におけるドーパミン神経特異的ミトコンドリア機能障害の分子機構
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20K07878
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
天羽 拓 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 応用科学群, 准教授 (40453922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舩山 学 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (70468578)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ミトコンドリア |
Outline of Annual Research Achievements |
パーキンソン病の発症機序としてミトコンドリア機能異常によるドパミン神経細胞死を示唆する知見が蓄積されており、その一つとして我々が発見した遺伝性パーキンソン病 (PARK22) 原因遺伝子産物CHCHD2 (coiled-coil-helix coiled-coil-helix domain containing 2)がミトコンドリア膜間腔に局在することが挙げられる。本研究では、CHCHD2との関連が考えられたミトコンドリア膜間腔タンパク質CHCHD8(coiled-coil-helix coiled-coil-helix domain containing 8)に着目し、その機能を明らかにするため、CRISPR/Cas9システムを用いてドパミン神経前駆細胞であるヒト神経芽細胞腫SH-SY5YのCHCHD8欠損細胞を作製した。CHCHD8欠損により、ミトコンドリア呼吸鎖複合体IVの酵素活性が顕著に低下した。一方で、呼吸鎖複合体IおよびIIの活性に変化はなかったものの、呼吸鎖複合体IIIの活性が欠損細胞で有意に増加した。Blue Native-PAGEによる解析から、CHCHD8は呼吸鎖複合体IVに関する重要な因子であり,呼吸鎖超複合体(I + III2 + IVnなど)の形成を介して呼吸鎖複合体IIIへ影響を及ぼしていることが考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時に予定していた研究を実施できたため
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きCHCHD8の機能を明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
発表を予定していた国際学会、国内学会が中止またはオンライン開催になったため。
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