2021 Fiscal Year Research-status Report
Pathogenesis of mental disorders comorbid with autism spectrum disorders: Focusing on facial affect recognition
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20K07917
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
岡田 俊 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的・発達障害研究部, 部長 (80335249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森川 真子 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (60783305) [Withdrawn]
小川 しおり 日本福祉大学, 教育・心理学部, 准教授 (60814150)
魚野 翔太 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的・発達障害研究部, 室長 (10766398)
江頭 優佳 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的・発達障害研究部, リサーチフェロー (10793200)
林 小百合 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的・発達障害研究部, リサーチフェロー (40885753)
請園 正敏 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的・発達障害研究部, リサーチフェロー (50787778)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / 注意欠如・多動症 / 二次障害 / 表情認知 / 視線方向 / 実行機能 / 報酬系 / 時間知覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)では、精神疾患や行動障害の併存が高率に認められ、早期発見・介入による予防や重症化の防止が求められるが、その発症過程や二次障害リスク把握のための客観的指標や検査バッテリーは明確にされていない。二次障害は生物学的要因と心理社会的要因の相互作用により生じると考えられるが、二次障害リスクとなり得る生物学的要因として児の社会的認知不全が挙げられる。ASDが持つ他者の情動や自己の状況の把握などに対する認知不全は不適切な対人行動や社会不安と繋がり得る。また、ASDにしばしば併存するADHDでも基礎症状がもたらす社会的認知不全や情動制御の困難があり、反抗挑発症や素行症をはじめとする行動障害をもたらし得る。幼少期からの逆境的体験と併せて社会的認知不全を持つことが児の二次障害リスクの本質であるとの仮説を立てた。本年度は、対人反応性、不注意と多動性-衝動性、不安、抑うつ、外在化症状などの臨床評価を実施するとともに、表情と視線認知、時間知覚、実行機能、報酬系機能を測定し、定型発達者および自閉スペクトラム症当事者におけるテスト課題成績および臨床表現型との関係について精査を進めた。現在219名(ADHD50名(小児7名)、ASD26名(小児7名)、ASD・ADHD併存46名(小児6名)、定型発達群97名(小児18名))の検査を終了している。さらに、その神経基盤との関係を明確化するため、一部の参加者に対しては脳構造画像(MRI)を測定し、その関係性についてのデータの取得を進めている。これまでの解析からは、年齢層により異なるパフォーマンスを示すことが示唆されていることから、幅広い年齢層のデータを取得できるように、リクルートの工夫を行うほか、病院でのリクルートを促進できるように努めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大下にあったが、順調なサンプリングが実施できており、219名というデータ取得が可能であった。小児のデータは、まだ不十分な状況にあるが、医療機関との連携や案内の配布などの対応を実施し、それらを通した組み入れも進んでいることから、総じて順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
データサンプリングを精力的に継続するが、これまでのデータからは年齢により異なるプロフィールを示すことが明らかになっていることから、年齢層がバランス良く取得できるよう、小児例のサンプリングに注力する予定である。すでに医療機関との連携や案内の配布などを進めている。また、これらの神経心理学的障害の脳基盤との関係を明確にするため、成人例では脳構造画像の精査を開始した。今後も精力的なサンプリングを推し進めていく予定である。今後の方向性としては、バイオマーカーとの関連も視野に入れて発展させていきたい。
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Research Products
(18 results)