2023 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌の定位放射線治療における個別化ゲノム医療の探求
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20K08080
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
田中 秀和 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30509782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椎木 健裕 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (30610456)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 放射線治療 / 放射線感受性 / EGFR変異 / 上皮成長因子受容体 / 非小細胞肺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
非小細胞肺癌の定位放射線治療は局所制御率が高く十分なイベント発生がないため、同じく放射線治療単独(化学療法は併用しない)での治療となる非小細胞肺癌脳転移に対し全脳照射を行った症例においても以下のデータ:年齢、性別、腫瘍サイズ、遺伝子異常/変異の有無、放射線治療実施日、照射線量、照射回数、照射後の局所制御の有無、局所制御期間、生存の有無、生存期間、死因を抽出した。これのデータ解析を行い臨床例においてEGFR変異陽性例では陰性例に比べ頭蓋内制御率が有意に高いことが確認された。チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の長期奏功例の影響を除外するため、TKIを投与されていない症例に限った解析においてもEGFR変異陽性例では陰性例に比べ頭蓋内制御率が有意に高かった。 in vitroの解析ではEGFR遺伝子変異を有する細胞株3種(HCC4006, PC-9, and NCI-H1975)と変異を有さない細胞株2種(A549, VMRC-LCD)の計5種に対して0, 2, 4, 8 Gyの照射を行いコロニー形成試験を行った。この結果、EGFR変異陽性株は陰性株に比べ2, 4 Gy照射により有意にコロニー形成が減少した。またγH2AXを用いて4Gy照射後30分および24時間後のDNA二重鎖切断の評価を行った。EGFR変異陽性株と陰性株の比較にて30分時点ではγH2AX foci数に差は認めなかったが、24時間時点においては陽性株が陰性株に比べ有意にfociが多く残存していた。 以上より臨床例、in vitroともにEGFR変異陽性の方が陰性に比べ放射線感受性が高いという結果が得られた。
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Research Products
(3 results)