2022 Fiscal Year Annual Research Report
初発膠芽腫のベバシズマブ治療効果に関与する遺伝子と画像評価法の確立
Project/Area Number |
20K08135
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
神部 敦司 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (70348283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 進也 鳥取大学, 医学部, 教授 (10379638)
黒崎 雅道 鳥取大学, 医学部, 教授 (20291461)
加藤 亜結美 鳥取大学, 医学部附属病院, 医員 (40724810) [Withdrawn]
北尾 慎一郎 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (60724804)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 初発膠芽腫 / ベバシズマブ / ASL / COX-2 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は膠芽腫5例、退形成性乏突起膠腫1例を含む計6例の初発悪性神経膠腫の患者さんより研究同意書のサインを取得した。後療法の内訳は、テモゾロミド(TMZ)単独3例、TMZ+ベバシズマブ(BEV)3例だった。 昨年度より引き続き手術検体の未染プレパラートを使用して、免疫組織染色法(IHC)にてCD-34、IDH-1、MGMT、VEGFR、COX-2など評価した。画像所見は今年度よりCESTとeASLが施行出来なくなったため、3D-ASLで術前画像の%SI(rCBF)を評価した。 昨年度までの症例を加えた初発膠芽腫27例の中で、BEV治療開始後無増悪生存期間(PFS)が12ヶ月の症例をBEV-responder群(16例)、12ヶ月未満の症例をBEV-nonresponder群(11例)として比較検討した。両群間で症例の背景に有意差のある因子はなかった。BEV-responder群はnon-responder群と比べてPFS、OS共に有意に期間延長を認めた。IHCでは、両群間でMIB-1 index,、CD-34、IDH-1、MGMT、VEGFRなどの発現に有意差はなく、COX-2のみ有意差(p=0.05)を認めた。画像所見では、%SI値はBEV-responder群が349.9%であったのに対し、BEV-nonresponder群は212.4%と有意に低かった。 初発膠芽腫において、術前画像のASLで高灌流の症例はBEV反応性を認めやすく、IHCでCOX-2高発現の症例も同様にBEV反応性を認めやすい傾向は昨年度までと同様だった。これらはBEV治療反応性の予測因子となるため、初発症例においてBEV治療選択の指標となり得ると同時に、予後良好なバイオマーカーとなることが示唆された。今回の結果を、5月に開催された第40回日本脳腫瘍病理学会で発表した。
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Research Products
(2 results)