2021 Fiscal Year Research-status Report
The Protective Role of Trained Immunity against Lethal Sepsis in Neonatal Mice
Project/Area Number |
20K08229
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤岡 一路 神戸大学, 大学院医学研究科内科系講座小児科学分野, 准教授 (20568810)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | Trained Immunity / 糞便懸濁液 / 軽微な先行感染 / 新生児敗血症 / マウスモデル / 炎症性脂質メディエーター / 全身性炎症反応 / Cecal slurry |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、少量のLPS等に暴露させ自然免疫系を活性化させ、感染防御効果を誘導するTrained Immunity(TI)の概念が注目されている。本研究の目的は、非致死量の糞便懸濁液(Cecal slurry, CS)を予め投与してTIを誘導した新生仔マウスに致死的敗血症を誘導して、TIの保護効果を検討することである。 本年度は、日齢3に0.5mg/g CS(非致死量, PTx群)または生食(Veh群)を前投与し、72時間後(7日齢)にCS 1.5mg/g(LD83)を投与し、敗血症誘導3, 6時間後の肝臓免疫関連遺伝子発現・炎症性脂質メディエーター発現を検討した。 肝臓PCRアレイ結果については、PTx群をVeh群と比較した場合は、敗血症誘導6時間後にPTx群において免疫関連遺伝子5種(Cd14, C5aR1, IL-1r1, Mx1, Irf7)の有意な発現抑制を認めた(fold change>4.0, p<0.05)。 敗血症誘導後の肝臓脂質メディエーター動態は、PTx群においてVeh群と比較し、敗血症誘導3時間後にアラキドン酸(AA)由来LM(15deoxy-d12,14 PGJ2)が有意に減少しており、敗血症誘導6時間後にエイコサペンタエン酸(EPA)由来LM4種(12-HEPE, 15-HEPE, 18-HEPE, EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)由来LM5種(4-HDHA, 7-HDHA, 14-HDHA, 17-HDHA, DHA)、AA由来LM4種(5-HETE, 12-HETE, 15-HETE, AA)が有意に低下していた。 以上の結果より、軽微な先行感染は敗血症誘導6時間後の肝臓免疫関連遺伝子および炎症性脂質メディエーター発現を抑制することが明らかとなった。現時点では、本モデルにおけるTIの保護効果は、異常な全身性炎症反応の制御を介したものと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた、1. CS法を用いた新生児敗血症モデルマウス作成とTrained immunity誘導、2. 新生児敗血症モデルマウスにおけるTrained immunityの作用機序の検討、については完了することができた(J Clin Med. 2021 Dec 13;10(24):5823. doi: 10.3390/jcm10245823.)。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の予定では、今後は3. Trained immunity誘導マウスからのExosomeの抽出、4. 免疫後Exosome投与による敗血症防御効果の検討、に取り組む予定であったが、現在までの検討でPTx群で有意に抑制されることが明らかとなった免疫関連遺伝子2種を抗体等を用いて直接的に抑制する実験を先行させることを検討中である。
|
Causes of Carryover |
新型コロナ感染症流行により、動物実験室入室が困難な時期があったため。本年は、前年度分研究費も含めて実験を実施する。
|
Research Products
(15 results)