2020 Fiscal Year Research-status Report
Identification of hedgehog signal inhibitors in tumors
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20K08252
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
藤井 克則 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (70344992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 俊之 北里大学, 医学部, 教授 (60174182) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ヘッジホッグ / 創薬スクリーニング / 阻害薬 / Gorlin症候群 / 皮膚線維芽細胞 / 疾患iPS細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヘッジホッグシグナルは生物種間で保存された増殖経路で、その亢進はヒトで Gorlin 症候群(身体奇形)と癌発生を来す。この癌には皮膚癌と小脳腫瘍があるが難治で再発も多いため特異的な経路阻害薬が待望されている。2012年にヘッジホッグシグナル初の阻害薬 vismodegib がFDAに認可されたが重度の副作用が判明したため、用量を抑えたcombination therapyが提唱されている。 我々は2017年に世界で初めてGorlin症候群のiPS細胞を作製報告し、また2018年にmicroRNAを用いた新たな阻害経路を同定した。同意を得て採取した患者由来線維芽細胞とそれから作成した疾患iPS細胞に対して、千葉大学の天然化合物ライブラリーおよび合成化合物ライブラリーから得た候補薬剤を用い、経路のRT-PCRを行うことで効果的な阻害薬の同定を目指している。 現在はPTCH1遺伝子変異が同定されたGorlin症候群患者由来のprimary skin fibroblast(初期皮膚線維芽細胞)および疾患由来iPS細胞を用いて天然化合物および合成化合物ライブラリーからの化合物を添加し、RT-PCRによりGLI発現の変化を測定している。現在複数の候補薬剤が同定されてきており現在その阻害効果と至適薬剤量を調査中である。Gorlin症候群患者におけるPTCH1解析は継続中であり2名で新たに遺伝子変異を同定した。1名はフレームシフト変異、1名はスプライシング変異であり、それぞれPTCH1ハプロ不全を来してGorlin症候群を発症したと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
患者由来皮膚線維芽細胞(primary fibroblasts)に天然化合物ライブラリーおよび合成化合物ライブラリーから得た薬剤を添加し、細胞内のGLIをRT-PCRでの測定系が確立し、その阻害効果の判定が可能になった。データは安定化し評価可能となったため、現在測定結果の解析を行っている。またGorlin症候群患者におけるPTCH1解析は継続中であり2名で新たに遺伝子変異を同定した。1名はフレームシフト変異、1名はスプライシング変異であり、それぞれPTCH1ハプロ不全を来してGorlin症候群を発症したと考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き患者由来皮膚線維芽細胞(primary fibroblasts)に天然化合物ライブラリーおよび合成化合物ライブラリーから得た薬剤を添加し、細胞内のGLIをRT-PCRでの測定系を用いて阻害効果の判定を行ってゆく。データは安定化し評価可能となったためスクリーニング化合物を適宜拡大し、ヘッジホッグ経路の効果的阻害剤を皮膚線維芽細胞とiPS細胞を用いて検索してゆく。Gorlin症候群患者におけるPTCH1解析は今後も継続し、遺伝子変異と表現型との関連を臨床症状と比較しながら解析し、Gorlin症候群の臓器別の発症原因を推定するとともに、ゲノム編集を組み合わせた患者本人由来iPS細胞からの臓器再生の道程を模索してゆく。
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Research Products
(1 results)