2022 Fiscal Year Research-status Report
Genomic and epigenomic analysis of high-risk neuroblastoma and its application for the cancer genome medicine
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20K08269
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Research Institution | Research Institute for Clinical Oncology Saitama Cancer Center |
Principal Investigator |
大平 美紀 地方独立行政法人埼玉県立病院機構埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 臨床腫瘍研究所, 主幹 (20311384)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 神経芽腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、難治性神経芽腫について、分子的背景の解明と、がんゲノム医療における精度の高いリスク分類システムの構築を目的に以下を進めた。 日本小児がん研究グループ神経芽腫委員会が実施した高リスク神経芽腫臨床試験の登録例95例について、臨床情報の収集と、小児がん用がん遺伝子パネルを用いた遺伝子変異検索、ゲノムコピー数異常解析によるデータ取得を完了した。欧州のグループから報告されたultra-high-riskマーカー(age>5y、高LDH、転移部位2箇所以上)について検証した結果、年齢因子については有意差が認められず、日本人症例に合ったマーカーの見直しが必要であることが示された。 がんゲノム医療では再発腫瘍の解析がその後の治療戦略を構築する上で非常に重要となっているが、神経芽腫の再発時には必ずしも再発腫瘍の外科的切除や生検は行われておらず、組織バンク保存数は多くない。そこで、2021年度にとりまとめた605例の日本人過去症例のデータについて、再発検体の有無と、品質、ゲノムデータについて比較し、再発時に追加されたゲノム異常やbreakpoint数 (BP)について検討を行った。初発ー再発(または増悪)のペアは30例あり、採取間隔は3-75ヶ月(中央値 24 ヶ月)、24例(80%)のペアがCGHの評価が可能であった。BPは13例が増加(+1から+17, 中央値+5)、5例が減少(-2から-4)であり、1p、11q のloss、MYCN増幅、1q、7q、17q のgain等のゲノム異常が追加された。今後さらに遺伝子変異やテロメア異常などのプロファイルを追加する予定である。再発時の約半数にBPの増加が見られたことから、その後の治療選択に重要な情報をもたらす再発時検体の経時的な収集は非常に重要であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画通り、過去症例やJCCG-JNBSG高リスク神経芽腫臨床試験登録例について、既知リスクマーカー、ゲノムマーカー(テロメア維持機構ならびにメチル化マーカーCIMP)の多変量解析は完了したが、コロナ禍による主要国際学会の2023年への延期と海外旅費高騰により、発現解析にかかる費用の支出に遅れが生じ、解析はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
NGSによるATRX遺伝子異常の解析を完了するとともに、網羅的遺伝子発現データを追加し、MYCN非増幅高リスク例のALT+/-の遺伝子発現signatureデータを追加して、特徴的な発現プロファイルとATRX異常などALT関連遺伝子群との関連性を検討する。
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Causes of Carryover |
当初予定していた2回の海外学会参加は2023年に延期され、旅費を2023年度に回す必要が生じた。また、海外学会旅費の高騰により海外学会への参加を一つに絞り、ドライデータ解析にエフォートを注いだ。
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Research Products
(7 results)