2020 Fiscal Year Research-status Report
Evaluation of hydrogen peroxide as radiation sensitizer for pancreatic cancer
Project/Area Number |
20K08306
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
岩下 拓司 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (60467206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兵藤 文紀 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 特任准教授 (10380693)
岩崎 遼太 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教 (20782139)
松尾 政之 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40377669)
森 崇 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (40402218)
富田 弘之 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (50509510)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 膵癌 / 過酸化水素 / 放射線治療 / 増感剤 / ヒドロキシルラジカルイメージング / 酸素イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では過酸化水素(H2O2) 局注に伴う腫瘍内での酸素分圧上昇、ヒドロキシラジカル発生といった反応と放射線増感作用の関係について分子イメージング技術を用い下記の点について明らかにする。 ①理想的な治療プロトコール解明:ヒト膵癌細胞をヌードマウスの右下腿に移植し膵癌マウスモデルを作成する。H2O2薬液を腫瘍の中心部に直視下局注しその投与回数により分け、その後の観察を行い腫瘍の成長曲線から治療効果を判定し、理想的な投与回数について検討を行う。 ②H2O2の治療効果が及ぶ範囲を解明:Dynamic Nuclear Polarization -MRIによるヒドロキシルラジカルイメージングへ向けた最適な条件を決定し、腫瘍内にH2O2を局所投与した後の電子スピン共鳴スピントラップ法(DMPO)によるヒドロキシルラジカルイメージングの可能性を検討する。H2O2局注後のヒドロキシラジカルの発生範囲と局注後に発生している時間をDMPOを用いてヒドロキシルラジカルの発生率の定量的な解析を行い、腫瘍成長曲線から得られる治療効果とを比較する。治療効果の相関についても検討する。 ③腫瘍内の低酸素状態とH2O2局注による治療効果の関係を解明:腫瘍の大きさにより低酸素状態は異なると考えられ、腫瘍の酸素濃度をElectron Paramagnetic Resonance Imagingで定量的に評価し、低酸素状態と腫瘍成長曲線から得られるH2O2局注による治療効果の関係について比較を行い低酸素状態の観点から理想的な治療対象について検討を行う。 現在、①と②を並行して検討をおこなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
①理想的な治療プロトコール解明:腫瘍の中心部に直視下局注しその投与回数により4群に分け、その後の1ヶ月間観察を行い腫瘍の成長曲線から治療効果を判定し、理想的な投与回数について検討を行ったが、投与量・回数による変化は乏しかった。 ②H2O2の治療効果が及ぶ範囲を解明:H2O2併用放射線治療群でのDynamic Nuclear Polarization -MRIによるヒドロキシルラジカルイメージングに成功しており、その定量にも成功した。今後、放射線治療のみの群によるイメージングを行っていく。 ③腫瘍内の低酸素状態とH2O2局注による治療効果の関係を解明: Electron Paramagnetic Resonance Imagingの機器立ち上げを行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
①理想的な治療プロトコール解明:Cell lineの変更も検討していく予定である。 ②H2O2の治療効果が及ぶ範囲を解明:放射線治療のみの群によるDynamic Nuclear Polarization -MRIによるヒドロキシルラジカルイメージングを行っていく。 ③腫瘍内の低酸素状態とH2O2局注による治療効果の関係を解明: Electron Paramagnetic Resonance Imagingの機器立ち上げ後に研究開始予定。
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Causes of Carryover |
COVIDの影響により、実験の進捗が遅れ、学会への出席の機会を逸したために次年度使用額が生じた。今後、実験が予定通りに進み、学会への参加も可能となれば、既存の使用計画に基づいて研究を進めていく。
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