2020 Fiscal Year Research-status Report
糖鎖バイオマーカーによるNAFLD患者予後予測法開発とその生物学的意義の解明
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20K08383
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鎌田 佳宏 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (30622609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三善 英知 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20322183)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | NAFLD / 予後調査 / 糖鎖バイオマーカー / 糖鎖遺伝子改変マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
糖鎖バイオマーカー測定済みの肝生検施行済み510例のNAFLD患者について追跡調査を行った。現在までに395例の追跡調査が完了している。追跡調査項目として死亡年月日、肝硬変発症、肝癌発症、食道静脈瘤発症、他臓器癌発症、心血管イベント発症について登録をおこなった。予後調査ができた395例(NAFL 93例、NASH 302例)で検討を行った。平均観察期間は2550日、最大は7483日であった。観察期間内の死亡症例は13例、肝癌発症症例は14例、肝硬変発症症例は18例、食道静脈瘤発症症例は13例、心血管病発症者は10例、他臓器癌発症症例は36例であった。他臓器癌は乳癌が最も多く(9例)、以下大腸癌(7例)、胃癌(6例)であった。生命予後については2群間に差を認めなかった。肝癌発症は高値群で12例、低値群で1例の発症を認め、高値群で有意に発症が高率であった(P<0.01)。肝硬変発症は高値群で14例、低値群で4例が発症し、高値群で有意に高率であった(P<0.05)。静脈瘤発症は高値群で12例、低値群で1例が発症し、高値群で有意に高率であった(P<0.01)。CVD発症は高値群で5例、低値群で8例が発症し、有意差を認めなかった。他臓器癌発症は高値群で18例、低値群で17例が発症し、有意差を認めなかった。大腸癌、膵癌発症者は高値群で多かった。健診受診者2122名については現在予後調査中である。 マウスを用いた基礎実験についても進行中である。NAFLDモデルを中心に解析を行っている。2020年度は研究代表者である鎌田が所属変更のためマウス実験については一度中断していたが3月末に動物の移動も完了し、2021年度に研究推進していく環境が整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
肝生検施行NAFLD症例の予後調査が予想以上に早く進み、ほぼ全例の予後調査が終了している。現在解析中であるが近いうちに解析も完了する予定である。また研究代表者の所属移転に伴い中断していたマウスモデルの研究も予想以上に早く体制ができ、研究再開が可能となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
肝生検NAFLD症例の予後調査結果の解析を行う。また健診症例のデータ収集を進めていく。これらデータをまとめ本年度中の論文化を目指す。マウスモデルは移動先の研究施設での研究を進めていく。
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Research Products
(21 results)