2022 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖バイオマーカーによるNAFLD患者予後予測法開発とその生物学的意義の解明
Project/Area Number |
20K08383
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鎌田 佳宏 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30622609)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三善 英知 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20322183)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | Mac-2 binding protein / NAFLD / 肝癌 / 非代償性肝硬変 / 出血性静脈瘤 / 肝関連疾患 / 大腸癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
Mac-2 binding protein(M2BP)測定済みの肝生検施行済みのNAFLD患者の予後調査研究を2023年に論文化できた。353例(NAFL 86例、NASH 267例)で検討を行った。平均観察期間は2716日、観察期間内の死亡症例は10例、肝癌発症症例は8例、非代償性肝硬変発症症例は11例、出血性食道静脈瘤発症症例は8例、他臓器癌発症症例は24例であった。他臓器癌のうち大腸癌は5例であった。M2BP測定値の中央値(1.603μg/mL)で2群に分けた(高値群、低値群)。生命予後については2群間に差を認めなかった。肝癌発症は高値群で8例、低値群で0例の発症を認め、高値群で有意に発症が高率であった(P<0.01)。非代償性肝硬変発症は高値群で9例、低値群で2例が発症していたが有意差はなかった。出血性静脈瘤発症は高値群で7例、低値群で1例が発症し、高値群で発症率の高い傾向があった(P=0.082)。これら肝疾患関連イベントは高値群で有意に発症率は高かった(P<0.01)。他臓器癌発症は高値群で12例、低値群で12例が発症し、有意差を認めなかった。興味深いことに大腸癌発生についてはM2BP高値群で発症が多く(5例)、低値群は発症者がおらず、有意傾向が得られた(P=0.088)。マウスを用いた基礎実験についても進行中である。NAFLDモデルを中心に解析を行っている。2020年度は研究代表者である鎌田が所属変更のためマウス実験については一度中断していたが3月末に動物の移動も完了し、2021年度に研究推進していく環境が整った。バイオマーカーと並ぶ非侵襲的診断法として超音波検査を用いたshear wave elastographyをマウスで施行する方法を確立し、論文化できた。今後本研究課題に引き続き、M2BPの生物学的意義を検討すべく、基礎研究を継続していく。
|
Research Products
(50 results)