2020 Fiscal Year Research-status Report
ビッグデータによる心筋梗塞の慢性期を含む新規医療の質指標の開発と国際共同比較研究
Project/Area Number |
20K08483
|
Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
中尾 一泰 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 客員研究員 (40730619)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 聡 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, その他部局等, その他 (00431578)
野口 暉夫 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 副院長 (70505099)
中井 陸運 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, オープンイノベーションセンター, 室長 (50595147)
中尾 葉子 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, オープンイノベーションセンター, 室長 (90752824)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 循環器疾患 / 医療ビッグデータ / 医療の質 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国における、心筋梗塞症とその慢性期病態としての心不全の医療の質について、現状を明らかにするとともに、診療プロセスと関連するする病院のストラクチャー因子(構造因子)も含め、検討すること、また、他国との比較により我が国の特徴を明らかにするために国際比較を実施することを目的として研究を遂行している。 1)日本循環器学会が主催する循環器病実態調査(JROAD-DPC)を用いて、検討を行った。 2014年度に心不全病名で入院した全患者(731病院、83000例超)を対象としガイドラインで推奨された心不全治療薬(ACE-I/ARB、β遮断薬、スピロノラクトン)の処方率、入院中心エコーの実施率、入院中BNP/NTproBNPの測定率から作成した総合的な診療プロセス評価するために、統合指標と病院の構造因子との関係を検討した。統合指標はすでに退院後1年以内の心不全による再入院と負の相関を認めることが明らかとなっている。構造的因子として、病院のベッド数、循環器専門医数、心不全の入院患者数、心臓外科の有無について調査を行った。病床数の四分位(中央値)は、最小四分位から199、322、435、654、専門医数は1、4、5、10、心不全入院患者数は49、85、123、186であった。統合指標を4群に分けた最大群との関連を検討したところ、オッズ比は四分位が上がるにつれて上昇した。これらの結果より、我が国の診療状況は、病院毎の患者数や専門医数が比較的広く分布しており、統合診療プロセス指標が種々の病院の構造指標と関連することが明らかになった。解析は一側面の関連を評価しており、諸般の要素を加味した解釈を要する。 2)日英の比較研究について、英国グループと定期的な会議を行いながら、日英データベースの変数のマッピングなどを実施した。 3)同研究の研究成果や意義について、学会や著作の一部として発表、概説した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
心筋梗塞(慢性期も含む)について、医療の質指標(構造指標も含む)研究について、順調に進捗している。 また、国際比較研究についても、英国共同研究者との協議が進捗している。
|
Strategy for Future Research Activity |
医療の質についての検討について、診療プロセスと心筋梗塞のアウトカムとの関係について、さらに検討を進める。また、構造指標についても検討を行う。 日英比較研究については、引き続き、英国共同研究者グループとの計画を遂行する。
|
Causes of Carryover |
データベース使用関連費用として、2020年度に計上していたが、同費用が今年度以降の使用予定となったため。
|
Research Products
(4 results)