2020 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the pathogenesis of pulmonary fibrosis mediated by dopamine receptors and development of novel therapeutic agents
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20K08778
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
川人 豊 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50336731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 誠宏 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (20411035)
細木 誠之 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (30433254)
河野 正孝 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60405256)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肺線維症 / ブレオマイシン / ドーパミン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、肺の線維化病態でのドーパミンとその受容体の関与に着目し、線維化のメカニズムを解明してその関連分子を明らかにし、間質性肺炎の治療薬の開発につなげる事である。本研究では、8~10週齢のオスC57/BL6マウスに、ブレオマイシン経気道散布することにより作成したブレオマイシン誘導性のマウス肺線維症を用いた。肺線維化のスコアはAschroftスコアを用いて、0-4段階でブラインド評価した。
本年度の研究結果として、まず、肺線維症におけるドーパミンの病因への関与について、ブレオマイシン経気道散布後の肺胞洗浄液(BALF)中ドーパミンをElisa法で測定し、ドーパミンが線維化の進行時間経過とともに有意に検出が増加することを明らかにした。また、組織学的には、L-dopaからドーパミンが合成される酵素の一つであるAromatic L-amino acid decarboxylase(AADC)の抗体と気管支上皮細胞マーカー抗体を用いて肺組織の免疫蛍光染色行った結果、ブレオマイシン投与day7に気管上皮細胞にAADCが共発現していることを確認し、ドーパミン産生細胞を同定した。
次にドーパミン受容体の局在を検討するため、ドーパミン受容体抗体である抗DRD1と抗DRD2抗体を用いて、ブレオマイシン誘導性のマウス肺線維症の肺組織の免疫蛍光染色行った。ブレオマイシン投与前の正常肺においてドーパミン受容体は確認できず、肺線維症が完成するブレオマイシンday14日の肺線維化組織で、線維芽細胞のマーカーであるCollagen1と特にDRD1の共発現が増強していることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画1年目に掲げていたドーパミン産生肺細胞と受容体の局在の解析は終了できており、ドーパミンの肺線維化の病因意義の解析をみるために肺由来の培養細胞の研究に着手している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、肺より単離培養した細胞を用い、筋線維芽細胞活性化におけるドーパミンの受容体とドーパミンを介する細胞内シグナルを解析する予定で、ドーパミンがTGFβ同様に、αSMAを発現した筋線維芽細胞の誘導に関与するのかを検討する。予備実験では、この事象が証明できれば、すでに分離・精製している天然薬物や薬用食品の植物資源ライブラリーからドーパミン受容体阻害性候補物質をスクリーニングしていく計画である。
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