2022 Fiscal Year Research-status Report
包括的線維化疾患診断を目指したペリオスチン測定システムの開発
Project/Area Number |
20K08781
|
Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
太田 昭一郎 国際医療福祉大学, 福岡薬学部, 教授 (20346886)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 良太 国際医療福祉大学, 福岡保健医療学部, 助教 (50711363)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 線維化疾患 / アレルギー疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞外マトリクスタンパク質であるペリオスチンは、喘息、特発性・薬剤性間質性肺炎、アレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎、強皮症、悪性腫瘍など、種々のアレルギー疾患を含む線維化を伴う疾患において血中濃度が上昇する。また、ペリオチンがマトリセルラータンパク質として、これら疾患の増悪因子となっている。われわれはペリオスチンを認識するモノクローナル抗体を作製し、病変部から血中に漏れ出たペリオスチンをバイオマーカーとして測定可能な血清ペリオスチン濃度測定試薬キットを開発し、喘息のステロイド抵抗性や特発性肺線維症の呼吸機能予後を血清ペリオスチン濃度の違いで予測できることを示してきた。しかし、ペリオスチンは様々な疾患で上昇するため、疾患特異性が低いことが欠点である。そこで、ペリオスチンのスプライシングアイソフォームを個々に検出し、疾患ごとの発現パターンを解析することで、複数の線維化疾患を鑑別できる可能性がある。本研究ではペリオスチンアイソフォームを個別に測定できる検査試薬を開発することを目指す。 現在の進捗は下記の通りである。 1. これまでに作製したペリオスチンアイソフォームを安定発現するS2細胞を用いて、各アイソフォームのリコンビナントタンパク質を大量産生・精製中である。 2. 測定システム構築に必要な4種類のアイソフォーム特異的な抗体のうち、2種類は既に作製しているが、もう2種類が未作製である。 3. すでに作製した抗体を用いて、アイソフォーム測定システム構築の基礎的検討を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
想定外の研究施設の不備により、モノクローナル抗体の作製が困難な状態が続いていたために、実際に実験のできた期間が非常に短かったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
速やかに研究設備の正常化を図る。現在は各アイソフォーム特異的なエクソン接合部を含む合成ペプチドをマウスに免疫してモノクローナル抗体を作製・スクリーニングするというコンベンショナルな方法を採用しているが、抗原ペプチド配列の変更、ファージディスプレイなど他の抗体作製法、免疫動物の変更等も検討する。
|
Causes of Carryover |
研究施設の想定外不備による使用不可能期間が長かったため、および新型コロナウイルスパンデミックへの対応により研究がしばしば中断されたため、使用経費も結果的に少額となった。研究環境を速やかに改善して研究のスピードアップを図り、適切な研究費執行に努める。
|
Research Products
(3 results)