2021 Fiscal Year Research-status Report
Clinical characteristic and molecular epidemiology of high-risk clone Bacillus cereus ST1420
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20K08853
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
鈴木 里和 国立感染症研究所, 薬剤耐性研究センター, 室長 (30373400)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Bacillus cereus / 血流感染 / 院内感染 |
Outline of Annual Research Achievements |
予定していた医療機関との共同研究の実施が困難であったため、衛生検査所等に打診し、食品由来のBacillus cereus group 菌株の収集を試みた。また、医療機関より細菌検査を委託している衛生検査所に血液検体由来のB. cereus菌株の提供を打診した。 食品由来菌株は、2018年~2020年にかけて国内の食品(詳細不明)より分離された20株について提供を受け、そのMultilocus sequence typing 解析を実施した。20株のSTは多様であったが、ST24が3株と最も多く、ついでST144、ST164、ST1571がそれぞれ2株ずつであったが、その他のSTとしてST26、ST142、ST160、ST611、ST1483、ST2163が1株ずつとなった。また新規STが5株あった。医療機関での血流感染のハイリスククローンであるST1420はこれらの食品分離株には存在しなかったが、1株はPriestらが分類しているclade 1の4群(Cereus I, Cereus II, Cereus III, B. anthracis)のCereusIIIに比較的近縁であった。一方今回解析した食品由来株の多くがclade2により近縁であり、患者由来株、とくに無菌検体由来株とは異なる系統の株であることが示唆された。医療機関での血流感染の原因となる系統と、食品等に付着しているB. cereusは異なる系統の可能性があるものの、今年度解析した株数が少なく、今後食品由来菌株の公開配列をもとに検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年に引き続き、2021年も新型コロナウイルス流行のため、予定していた医療機関との共同研究を実施することができず、患者情報のあるB. cereus菌株の収集が実施できなかった。衛生検査所の協力により血液分離株を12株収集できたが、これはは患者情報の得られない菌株であったため病態の検討はできず引き続き菌株の分子疫学解析を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の流行が徐々に鎮静化してきたため、再度共同研究可能な医療機関を打診し、令和4年度より臨床病態解明のための臨床情報の収集が開始できる見込みである。ただし、過去の菌株については保存されていなかったため、症例数は当初より大幅に減る見込みである。しかし、菌株数は少ないものの、国内の多様な検体より分離されたB. cereusがあるため分子疫学解析を中心に今後の研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス流行により予定していた医療機関との共同研究を進めることができず、菌株の収集と解析を令和4年度以降にみおくったため。令和4年度より共同研究を実施できる医療機関を得られ、分担研究者として追加したため、症例数は減少するものの当初予定していた病態解析を進める予定である。
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Research Products
(1 results)