2020 Fiscal Year Research-status Report
2型糖尿病発症における膵β細胞でのmTORC1活性調節機構の解明
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20K08860
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
淺原 俊一郎 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (00570342)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 膵島 / mTORC1 / 脱分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵β細胞特異的Tsc2ノックアウトマウスを維持飼育したところ、40週までは低血糖~正常血糖で推移するが、その後自然経過において45週齢頃より血糖値が上昇し始め、50~60週齢の間に著明な高血糖を呈することが明らかとなった。そこで膵β細胞量を10、40、60の各週齢において評価したところ、10週齢で著明な膵β細胞量増大を認めていたものが、40週齢では有意に減少し、60週齢ではコントロールマウスよりも減少していた。そこでそれぞれの週齢における膵島の分化状況を判断するために、脱分化マーカーや各種転写因子の評価を行ったところ、興味深いことに10週齢から既に分化異常を示していることが明らかとなった。 10週齢の時点で、膵島から分泌される4ホルモン(インスリン、グルカゴン、ソマトスタチン、PP)いずれも陰性の細胞が散見されることから、mTORC1活性が膵島細胞の可塑性において大きく影響している可能性が考えられた。現在は10週および40週齢のノックアウトマウスとコントロールマウスより各々膵島単離し、それらから抽出したRNAを用いてRNA-seqを行う予定である。RNA-seqの結果をもとに、さらに詳細な分子機序について検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予想していた結果とは異なるが、非常に興味深い現象を認めているため、今後の方針について変更したことでタイムロスを生じた。元々高齢のマウスを実験対象としているため、マウスの匹数を揃えるのに時間を要したが、この一年間で継続して実験可能な状態になったことから、今後は順調に実験を進められると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
膵島における脱分化は2型糖尿病発症において重要な因子と考えられているが、まだ十分にわかっていない。膵β細胞特異的Tsc2ノックアウトマウスでは、若齢期より膵島の分化状態に異常を示すマウスであり、高血糖非依存的に脱分化を起こしている可能性も考えられる。脱分化の機序を解明するツールとして、網羅的遺伝子解析を行うことを予定している。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] GCN2 regulates pancreatic β cell mass by sensing intracellular amino acid levels2020
Author(s)
Kanno A, Asahara SI, Furubayashi A, Masuda K, Yoshitomi R, Suzuki E, Takai T, Kimura-Koyanagi M, Matsuda T, Bartolome A, Hirota Y, Yokoi N, Inaba Y, Inoue H, Matsumoto M, Inoue K, Abe T, Wei FY, Tomizawa K, Ogawa W, Seino S, Kasuga M, Kido Y.
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Journal Title
JCI Insight
Volume: 5
Pages: e128820
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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