2021 Fiscal Year Research-status Report
2型糖尿病発症における膵β細胞でのmTORC1活性調節機構の解明
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20K08860
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
淺原 俊一郎 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (00570342)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脱分化 / 膵島 / mTORC1 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵β細胞特異的Tsc2欠損マウスの解析により、40週齢以降では膵島内にアミラーゼを発現することが明らかとなった。当初は外分泌組織が外部より浸潤してきたものである可能性が疑われたが、外分泌組織特異的な転写因子Ptf1aがクロモグラニンAと共発現していることから、膵島の脱分化により外分泌組織に分化転換している可能性が考えられた。膵島のRNA-seqの結果でも、Pdx1やMafAの発現低下を認めており、膵β細胞の成熟性が失われていることが明らかとなった。さらに確証をえるべく、Rosa26-YFPマウスと膵β細胞特異的Tsc2欠損マウスを交配し、Lineage tracingを行った。膵β細胞由来の細胞ではYFPが発現するようにしたところ、YFPとPtf1aが共発現することが確認された。これらの結果より、mTORC1が活性化された膵島では、外分泌組織への分化転換が起こっていると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
膵β細胞Tsc2欠損マウスの膵島における発現解析として、免疫染色およびRNA-seqの解析結果が得られた。また、YFPマウスとの交配により、Lineage tracingが確立された。これまでの解析により、今後は高週齢の解析ではなく若齢期マウスの解析が重要と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
mTORC1活性亢進により、膵β細胞がアミラーゼ陽性細胞になる機序を明らかにするためにCRISPR-Cas9を用いてTsc2欠損MIN6細胞を作成する。この細胞で、mTORC1活性亢進がPtf1awo発現する機序を明らかにする。また、胎生期におけるmTORC1活性亢進が分化誘導に影響を及ぼしている可能性も高く、Ins-CreERとTsc2 floxedマウスを交配することによって、胎生期の影響についての検討も開始する。
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[Journal Article] Oral administration of D-serine prevents the onset and progression of colitis in mice2021
Author(s)
Asakawa T, Onizawa M, Saito C, Hikichi R, Yamada D, Minamidate A, Mochimaru T, Asahara SI, Kido Y, Oshima S, Nagaishi T, Tsuchiya K, Ohira H, Okamoto R, Watanabe M.
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Journal Title
J Gastroenterol.
Volume: 56
Pages: 732-745
DOI
Peer Reviewed / Open Access