2021 Fiscal Year Research-status Report
小腸移植拒絶反応の早期診断を目的としたドナー由来DNA断片の解析
Project/Area Number |
20K08942
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山田 洋平 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (60383816)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井ノ上 逸朗 国立遺伝学研究所, ゲノム・進化研究系, 教授 (00192500)
阪本 靖介 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 臓器移植センター, 医長 (00378689)
日比 泰造 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (10338072)
上野 豪久 大阪大学, 医学部附属病院, 特任准教授(常勤) (10456957)
松浦 俊治 九州大学, 大学病院, 准教授 (10532856)
岡島 英明 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (20308604)
和田 基 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80372291)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 小腸移植 / 拒絶反応 / リキッドバイオプシー / cell free DNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主目的は、小腸移植の成績改善において不可欠となる拒絶反応早期診断のための新しいバイオマーカーとしてドナー由来のcell free-DNAを血中において測定し、その値と臨床的拒絶反応の有無・程度の相関を観察することである。 現段階において、新規の小腸移植症例4例とすでに小腸移植を受けたレシピエント6名から同意を取得しサンプル(n=170)を収集している。サンプルはこれまでのところ3施設から収集している。収集したサンプルを凍結処理し、研究共同機関である国立遺伝学研究所に送付し、次世代シーケンサーにてcell free DNAの測定・解析を行っている。測定はNovaseqを使用し、キャプチャーバイブリダイゼーション法を採用してドナー由来のcell free DNAの定量化をおこなっている。 サンプル収集のプロトコールに基づき、S1(sample1): 0-7 day(移植後日数)、S2: 8-14 day、S3: 15-30 day、S4: 1-2 month、S5: 2-4 month、S6: 4-8 month、S7: 8-10 month、S8: 10-12 month、SE (Sample at Events): 拒絶反応が臨床的に疑われた時、の各ポイントで解析を行なっている。収集した170サンプルのうち、約90サンプルはすでに測定済みである。明らかに臨床的に拒絶反応と診断した症例が1例存在し、その症例でのドナー由来cell free DNAがベースライン値から上昇することを確認した。また、拒絶反応に対する治療に反応し、速やかにベースライン値まで低下したことから、ドナー由来cell free DNAの測定が拒絶反応の診断および治療効果判定に有用である可能性が示唆されている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの蔓延で、共同研究機関である国立遺伝学研究所の測定機器がCOVIDの解析を優先して行っているため、サンプルの測定・解析が遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、研究の最終年度である。引き続き、対象症例のリクルートとサンプルの収集に努める。また、集積したサンプルの解析をすすめ、測定方法及び解析方法の標準化を行い、臨床データとの突合をおこなって論文化する方針である。
|
Causes of Carryover |
サンプルの測定が計画よりもやや遅れており(COVIDパンデミックのため)、繰越金が生じた。 2022年度は、繰り越された資金を使用して、すでに収集されプールされているサンプルの測定を引き続き行なっていく計画である。
|
Research Products
(4 results)