2021 Fiscal Year Research-status Report
脱細胞・再細胞による再生医療と異種移植によるハイブリッド気道移植モデルの開発
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20K08983
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
渡邉 洋之助 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (30457551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土谷 智史 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (30437884)
永安 武 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80284686)
佐原 寿史 鹿児島大学, 総合科学域総合研究学系, 准教授 (90452333)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 異種移植 / 脱細胞 / 脂肪幹細胞 / 再生医療 / 免疫抑制治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては、ブタの気管支を脱細胞化し、カニクイザルの気管に移植する。移植後に、レシピエントサル由来の脂肪幹細胞を投与し、気管の再細胞化及び上皮化への再生を検討する。さらに、脂肪幹細胞による、特に超急性拒絶や急性拒絶に対する免疫抑制効果を検討する。 前年度の実験において、脂肪幹細胞投与群において拒絶の減弱と気道上皮再生の傾向が認められたため、さらなる効果が得られることを目的として、複数回の投与を行うこととした。 本年度において、予定された3例の実験を完了することができた。小児用細径気管支鏡を用いた気管内腔の観察により、脂肪幹細胞投与群において、気道上皮の再生およびブタ由来グラフトがサル気管内において生着・癒合していることを確認した。実験を計画通り遂行できており、また、現在のところ予想される結果が得られている。以上からは、順調な進捗状況であると考えられる。 今後は血清学的検査並びに病理学的検査を行う。血清学的検査において、炎症性サイトカインや、上皮再生因子の計測を行う。また、病理学的検査によりグラフト周囲への抗ブタ抗体(IgM, IgG)の沈着の有無・程度のほかに、粘膜上皮再生の程度を検討する。先行研究において、脂肪幹細胞投与群において抑制性マクロファージの集積とIL-10 などの抗炎症性・免疫抑制性サイトカインの上昇等が確認された。これらの所見が、本実験系においても確認されるかどうかについても検討する。 次年度においては、学会発表や論文化を推進する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験を計画通り遂行できており、また、現在のところ予想される結果が得られている。以上から、順調な進捗状況であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
保存試料を用いて、血清学的検査並びに病理学的検査を行う。 血清学的検査において、各時系列(移植前・移植直後・移植後の長期経過後)における炎症性サイトカインや、上皮再生因子の計測を行う。 病理学的検査において、グラフト周囲への抗ブタ抗体(IgM, IgG)の沈着の有無・程度を検討する。 先行研究において、脂肪幹細胞投与群において抑制性マクロファージの集積とIL-10 などの抗炎症性・免疫抑制性サイトカインの上昇等が確認された。これらの所見が、本実験系においても確認されるかどうかを、検討する。 次年度においては、学会発表や論文化を推進する。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の流行がいまだに沈静化しておらず、出張等の研究計画に変更が生じ、旅費が発生しなかったため。 繰越金については、延期となった旅費に充てる予定。
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