2022 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the mutual paracrine effect by MMP-9 and sCD154 between CD40 positive ESCC cells and platelets
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20K09000
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐々木 勝則 北海道大学, 医学研究院, 学術研究員 (60336394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 聡 北海道大学, 医学研究院, 教授 (50322813)
七戸 俊明 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (70374353)
土川 貴裕 北海道大学, 大学病院, 講師 (50507572)
中村 透 北海道大学, 医学研究院, 助教 (70645796)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | CD40 / CD154 / MMP-9 / 食道がん / 血小板 |
Outline of Annual Research Achievements |
食道がんが転移・再発を起こしやすい癌種である理由の一つに上皮間葉転換メカニズム(EMT)が存在する。このEMT関連分子の中でも、周囲の基質を分解する基質メタロプロテアーゼ (matrix metalloproteinases: MMPs)、特にMMP-9が癌の悪性度に深く関係していることが示唆されてきた。本研究は、CD40陽性食道扁平上皮癌(ESCC)が産生・分泌するMMP-9が腫瘍周囲の細胞外マトリックスを消化・分解する作用のみならず、活性化血小板に作用し、CD154(CD40 ligand)のshedding に寄与することで、sCD154とMMP-9が介在するmutual paracrine effectによる癌悪性化のスパイラル・モデルを明らかにした。CD40陽性ESCC細胞株をrecombinant human CD154あるいはthrombinで活性化した血小板を用いて刺激すると、MMP-9 mRNAの転写およびタンパク質の産生が有意に増大した。その結果、Transwell insert(8.0μm pore)を用いた遊走能ならびにMatrigel invasion chamber (Corning BioCoat)を用いた浸潤能はいずれも増強した。一方CD40陰性ESCC細胞株はsCD154刺激によるMMP-9 mRNAおよびタンパク質の量的変化ならびに遊走能、浸潤能の機能には影響しなかった。さらに、MMP-9を含むESCC細胞株培養上清を活性化した血小板に添加すると、血小板からのshedding sCD154量が増大した。今回証明した癌悪性化のスパイラル・モデルは他のCD40陽性癌に対しても普遍的に適応応できるものでり、多くのCD40陽性難治性癌に対する新たな治療法開発に貢献することができる。
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