2021 Fiscal Year Research-status Report
膵癌患者の免疫微小環境における脂質メディエーター分子の役割と臨床的意義
Project/Area Number |
20K09099
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
滝沢 一泰 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (30706437)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
油座 築 新潟大学, 医歯学総合病院, レジデント (00745565) [Withdrawn]
廣瀬 雄己 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (10737365)
諸 和樹 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (10745566)
永橋 昌幸 新潟大学, 医歯学総合病院, 研究准教授 (30743918)
若井 俊文 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50372470)
坂田 純 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (70447605)
三浦 宏平 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (70733658)
長櫓 宏規 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (90888033) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 膵癌 / S1P / SphK1 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、腫瘍免疫微小環境におけるスフィンゴシン-1-リン酸(S1P)の役割を解明し、その臨床的意義を明らかにし、治療応用のための研究基盤を築くことである。そのために、「膵癌患者におけるS1Pと腫瘍免疫微小環境との関連性とその臨床的意義の解明」および「S1Pによる腫瘍免疫微小環境制御機構の解明とS1P標的治療の可能性の検討」を遂行する。 令和3年の研究実施計画では、「膵癌患者におけるS1Pと腫瘍免疫微小環境との関連性とその臨床的意義の解明」について、膵癌手術検体を用いた免疫組織化学とリピドミクスを行っった結果を解析し、S1Pを含めた脂質メディエーターと腫瘍微小環境との関連性と、その臨床的意義について発表することとした。これに関して、膵癌腫瘍組織に対するリン酸化SphK1抗体を用いた免疫組織化学染色にて、全111例の免疫組織化学を行い、臨床的意義を解析した。S1P発現により高発現群と低発現群の2群間にわけて検討すると、高発現群ではリンパ管侵襲、リンパ節転移が有意に多く、S1P高発現は独立した予後不良因子であった。この結果をThe 17th Annual Academic Surgical Congress (ASC)にて発表した。 「S1Pによる腫瘍免疫微小環境制御機構の解明とS1P標的治療の可能性の検討」については、研究計画ではCRISPR/Cas9遺伝子編集技術を用いて作製したS1P産生酵素ノックアウト(SphK1KO)膵癌細胞株及びSphK1KOマウスを用いて癌移植実験を行うとし、昨年に引き続き、実験を行っている。その評価については今後解析する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「膵癌患者におけるS1Pと腫瘍免疫微小環境との関連性とその臨床的意義の解明」について、全111例の免疫組織化学を行い、その臨床的意義を学会発表した。現在、論文作成中であり、順調に進んでいる。 また、「S1Pによる腫瘍免疫微小環境制御機構の解明とS1P標的治療の可能性の検討」についてノックアウトマウスの作成を進め、癌移植実験を行っている。癌の発育進展と微小環境を解析しているが、実験およびデータ解析に時間を要している。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年は、「膵癌患者におけるS1Pと腫瘍免疫微小環境との関連性とその臨床的意義の解明」について、論文作成を行う。 「S1Pによる腫瘍免疫微小環境制御機構の解明とS1P標的治療の可能性の検討」について、作製したSphK1KO膵癌細胞株及びSphK1KOマウスを用いて癌移植実験を引き続き行い、癌の発育進展と微小環境を解析する。TIL、TAM、Treg等の腫瘍関連免疫細胞について評価が遅れており、これを推進する。 SphK1KO細胞をSphK1KOマウスに移植し、免疫逃避機構(PD-1、PD-L1発現)との関連について解析する。
|
Causes of Carryover |
実験の進行の遅れがあり、予定していた細胞・動物実験にかかる費用が余剰になったため。 また、COVID19の流行のため、情報収集を行う予定であった学術集会がWEB会議になり、その旅費が余剰になったため。国際学会での発表予定が、WEB発表となり、渡航費が余剰となったため。 次年度使用額は、令和4年度に細胞・動物実験に使用する。国際学会への参加、研究結果発表、論文作成に使用する。
|
Research Products
(1 results)