2022 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌患者の免疫微小環境における脂質メディエーター分子の役割と臨床的意義
Project/Area Number |
20K09099
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
滝沢 一泰 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (30706437)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
油座 築 新潟大学, 医歯学総合病院, レジデント (00745565) [Withdrawn]
廣瀬 雄己 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (10737365)
諸 和樹 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (10745566)
永橋 昌幸 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (30743918)
若井 俊文 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50372470)
坂田 純 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (70447605)
三浦 宏平 新潟大学, 医歯学系, 客員研究員 (70733658)
長櫓 宏規 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (90888033)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 膵癌 / S1P / SphK1 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、腫瘍免疫微小環境におけるスフィンゴシン-1-リン酸(S1P)の役割を解明し、その臨床的意義を明らかにし、治療応用のための研究基盤を築くことである。そのために、「膵癌患者におけるS1Pと腫瘍免疫微小環境との関連性とその臨床的意義の解明」および「S1Pによる腫瘍免疫微小環境制御機構の解明とS1P標的治療の可能性の検討」を遂行する。 令和4年の研究実施計画のとおり、「膵癌患者におけるS1Pと腫瘍免疫微小環境との関連性とその臨床的意義の解明」について、これまでの研究で得られた「膵癌腫瘍組織に対するリン酸化SphK1抗体を用いた免疫組織化学染色にてS1Pの臨床的意義を解析すると、S1P高発現群ではリンパ管侵襲、リンパ節転移の頻度が有意に高く、S1P高発現は独立した予後不良因子であった」という結果を論文化し、英文誌に投稿中である。 「S1Pによる腫瘍免疫微小環境制御機構の解明とS1P標的治療の可能性の検討」については、研究計画ではCRISPR/Cas9遺伝子編集技術を用いて作製したS1P産生酵素ノックアウト(SphK1KO)膵癌細胞株及びSphK1KOマウスを用いて癌移植実験を行い、免疫組織化学を用いてリン酸化SphK1の発現を評価したが、TIL、TAM、Treg等の腫瘍関連免疫細胞との有意な関連は見いだせなかった。 以上より、膵癌患者におけるS1P高発現群は、低発現群と比較し、リンパ管侵襲を来しやすく結果的にリンパ節転移の頻度が有意に高いことが確認された。S1Pの臨床的意義は確認されたが、腫瘍免疫微小環境との関連性は解明できなかった。
|