2022 Fiscal Year Annual Research Report
Study of colorectal cancer suppression mechanism by estrogen using the new colorectal cancer animal model
Project/Area Number |
20K09112
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
佐藤 美信 藤田医科大学, 医学部, 教授 (50329736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 孝典 藤田医科大学, 医学部, 講師 (40724315)
本間 尚子 東邦大学, 医学部, 准教授 (70321875)
下野 洋平 藤田医科大学, 医学部, 教授 (90594630)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エストロゲン / 大腸がん |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、私たちがこれまで作製してきた種々のエストロゲン欠損マウスモデルを用いて、エストロゲンと大腸発がんとの関連を明らかにすることを目標としてきた。エストロゲンががん幹細胞の自己再生や分化,浸潤能,薬剤耐性能の獲得に及ぼす影響を大腸がんの手術検体を活用して明らかにするため、エストロゲン合成酵素欠損マウス(Aromatase KOマウス)やアロマターゼ阻害薬、卵巣結紮術を適宜用いて検討を行った。また、患者腫瘍から樹立したPDXを用いて検討を行うことで生体内に近い環境でエストロゲンの発生,浸潤・転移,薬剤耐性に及ぼす影響を研究することができ,ヒトのがんを用いた解析に発展が可能となる。 エストロゲンが大腸がんの増悪に与える影響を細胞株を用いて検証した結果,低濃度のエストロゲンが大腸がんの増殖を抑制する可能性を見出した。また、マウス大腸の陰窩部にエストロゲン受容体βの発現を確認できた一方で、エストロゲン受容体αと小胞体膜局在のエストロゲン受容体は確認できず,大腸がんの発生や成長にエストロゲン受容体βが重要な働きをしている可能性がある。 PDXを用いた検討でもこれを支持する結果が得られたが、モデルマウスでは各モデルマウスで大きな差がなかった。本研究ではエストロゲンが大腸がんに抑制的にはたらく一方で、一部の大腸がんにとっては増悪因子である可能性が示されたため、より詳細な検討を行うことで各種のエストロゲン受容体と大腸がんの増悪、それにかかわるシグナルを明らかにしたいと考えている。
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