2021 Fiscal Year Research-status Report
理想的な血管再生を誘導する多層性動脈グラフトの創製
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20K09158
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
太良 修平 日本医科大学, 医学部, 講師 (80465319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 靖元 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20456255)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 生体吸収性 / 人工血管 / シルクフィブロイン / シルクエラスチン |
Outline of Annual Research Achievements |
生分解性スキャフォルドの材料の候補であるシルクエラスチンの細胞接着、細胞増殖への影響をヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)とヒト臍帯動脈平滑筋細胞(HUASMC)を用いて評価した。結果、シルクエラスチンはHUVECへの影響はないものの、HUASMCの増殖は抑制した。これはエラスチンの部分配列が平滑筋の表現型へ影響(合成型→収縮型)し、増殖を抑制したものと考えられた。 スキャフォルド構造の外腔側として用いるエレクトロスピニング法によるナノファイバー層が、炎症細胞であるマクロファージの浸潤をどの程度抑制するか、細胞浸潤を促す内腔側のスポンジ層と比較して評価した。結果、ナノファイバー層はマクロファージの浸潤を大幅に抑制したため、スキャフォルドのデザインの際に考慮する必要がある。 上記のin vitro 試験の結果を受けて、人工血管素材となる分解性シートを以下の方法で作成した。シルクフィブロインとシルクエラスチンを用いてコアシェルとし、さらにその吐出スピードを段階的に変化させることで階層構造を持つシートとした。物性評価や分解性評価を行い、さらに、この階層シートをラット腹部動脈に移植し、4週間後に取り出し免疫組織学的評価を行った。シートの分解と良好な血管リモデリングを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラットへの移植まで進んでおり、進捗状況はおおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
移植期間を延長しつつ移植実験をさらに進める。
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Causes of Carryover |
研究の進捗が計画より若干遅れているため
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Research Products
(1 results)