2020 Fiscal Year Research-status Report
間質性膀胱炎/膀胱痛症候群におけるTRPV4の役割解明
Project/Area Number |
20K09228
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
善積 克 東北医科薬科大学, 薬学部, 講師 (70553379)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 膀胱痛症候群 / 間質性膀胱炎 / 過活動膀胱 / TRPV4 |
Outline of Annual Research Achievements |
間質性膀胱炎/膀胱痛症候群は、頻尿、尿意切迫感などの過活動膀胱症状に加え、膀胱痛を伴う難治性の慢性炎症疾患であるが、その病態の原因は未だ不明の難治性疾患であり、有効な治療薬もないのが現状である。本研究はリポポリサッカライド(LPS)を膀胱内に注入して作製した慢性膀胱炎モデルラットを用いて、主症状である頻尿と膀胱炎関連痛に対するTRPV4アゴニストの効果を薬理学的に検討することを目的とする。令和2年度に得られた結果は以下の通りである。 1)間質性膀胱炎/膀胱痛症候群モデルラットにおいて、TRPV4アゴニストを膀胱内注入することでLPS誘発性の膀胱炎関連痛は、疼痛閾値を測定できるvon Freyフィラメントによる機械刺激において疼痛閾値の上昇がみられた。 2)間質性膀胱炎/膀胱痛症候群モデルラットにおいて、カプサイシンの膀胱内注入による尿道部へのlicking反応の増加は、TRPV4アゴニスト処置群においてlicking反応の減少が観察された。 3)膀胱内圧測定法により間質性膀胱炎/膀胱痛症候群モデルラットで観察される排尿間隔の短縮は、TRPV4アゴニスト処置群においてはみられなかった。 以上の結果、LPS誘発性の間質性膀胱炎/膀胱痛症候群モデルラットにおいて惹起される膀胱関連痛や頻尿に対してTRPV4アゴニストが抑制的に働くことを確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すでに比較的間便な方法で作製できる慢性膀胱炎モデルを確立しているため、本病態モデルにおける膀胱炎関連痛や頻尿に対するTRPV4アゴニストの効果を検討することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、膀胱上皮の培養細胞を用いてカルシウムイメージング法による細胞内カルシウム濃度の評価を行い、TRPV4アゴニストによる抗炎症効果の制御機構を検討する。
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Causes of Carryover |
実験が当初の予定より順調に進み実験動物費、試薬・消耗品費が節約できたため、 次年度は繰り越し分と合わせて、研究費を主に実験動物費、試薬・消耗品費に使用する。
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Research Products
(9 results)