2020 Fiscal Year Research-status Report
Endothelial glycocalyx damage in pathophysiology of sepsis: analysis from complex acute on chronic damage and ultrastructural alterations
Project/Area Number |
20K09281
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
久志本 成樹 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50195434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 英志 岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (30402176)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 敗血症 / グリコカリックス / 超微形態解析 / 血管内皮障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
背景と目的:健常な血管内皮細胞の内腔にはグリコカリックス層(eGCX)が存在し、微小循環の恒常性を保つ。糖尿病患者は敗血症などの感染症で重篤化するが、いずれの病態も微小循環障害を有し、eGCX障害は糖尿病を有する敗血症患者の転帰に影響する可能性がある。感染症における糖尿病患者の易感染性とeGCX障害の関係を検討することを目的として研究を行った。 方法:糖尿病モデルマウスを用いて、リポ多糖(LPS)による敗血症性血管炎誘発前後の肺におけるeGCX障害と炎症応答を評価し、転帰との関係を検討した。LPSを腹腔内投与して敗血症性血管炎モデルを作成、48時間生存率を評価した。また肺障害について組織学的にスコアリングし、炎症性サイトカインおよび炎症細胞の遊走数を経時的に比較した。さらにeGCX障害を定量化するため、eGCXのコアタンパクである血清シンデカン-1および肺のインテンシティスコアを計測し、肺eGCXの超微形態を電子顕微鏡で検討した。 結果:48時間生存率は、対照群 75%に対し、糖尿病マウス 0%であった。肺障害は糖尿胃病マウスで増悪した。さらに、糖尿病マウスでは、eGCX障害の指標である血清シンデカン-1が経時的に上昇し、LPS投与前からeGCXが菲薄化しており、投与後さらに障害された。 結論:糖尿病マウ洲では、菲薄化していたeGCXが感染によりさらに障害され、炎症細胞の遊走遅延および遷延が生じ、eGCX障害が感染症の転帰に影響する可能性があることが示唆されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定した基礎研究は順調にすすみ、研究仮説を裏付ける成果を蓄積しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
目的:血管内皮グリコカリックスの構造変化を糖尿病による障害、敗血症性障害、および複合性障害として臓器ごとに検討することに関しては、マウスを用いた基礎研究がほぼ予定通り進行している。引き続き、多面的な知見を収集すべく実験を継続するとともに、臓器ごとに構造の異なる血管内皮上のグリコカリックスの超微形態評価、さらには、臨床例における解析のための準備をすすめたい。
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Causes of Carryover |
予定していた国内外における学術集会発表のための出張がキャンセルとなったこととともに、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響が大きく、本テーマに関わる備品および消耗品などの購入が限定的であった。このため、研究分担者との協議により、次年度、より有効に助成金を活用することとした。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Neutrophil Elastase Inhibition Ameliorates Endotoxin-induced Myocardial Injury Accompanying Degradation of Cardiac Capillary Glycocalyx2020
Author(s)
Fukuta T, Okada H, Takemura G, Suzuki K, Takada C, Tomita H, Suzuki A, Oda K, Uchida A, Matsuo S, Fukuda H, Yano H, Muraki I, Zaikokuji R, Kuroda A, Nishio A, Sampei S, Miyazaki N, Hotta Y, Yamada N, Watanabe T, Morishita K, Doi T, Yoshida T, Ushikoshi H, Yoshida S, Maekawa Y, Ogura S.
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Journal Title
Shock
Volume: 54
Pages: 386-393
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Ultrastructural alteration of pulmonary tissue under conditions of high oxygen concentration2020
Author(s)
Yano H, Kuroda A, Okada H, Tomita H, Suzuki K, Takada C, Fukuda H, Kawasaki Y, Muraki I, Wakayama Y, Kano S, Tamaoki Y, Nishio A, Inagawa R, Sampei S, Kamidani R, Kakino Y, Yasuda R, Kitagawa Y, Fukuta T, Miyake T, Kanda N, Miyazaki N, Doi T, Yoshida T, Suzuki A, Yoshida S, Ogura S
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Journal Title
Int J Clin Exp Pathol
Volume: 13
Pages: 3004-3012
Peer Reviewed / Open Access
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