2020 Fiscal Year Research-status Report
神経根症の発症に関与する細胞群の解析と間葉系幹細胞による病態制御法の開発
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20K09405
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松林 嘉孝 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50747962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 大典 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (60835354)
矢野 文子 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (80529040)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 脂肪由来幹細胞 / 神経根症 / マウス神経障害性疼痛モデル / 脂肪由来幹細胞投与後の局在 / 生体投与後における間葉系幹細胞の変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスにおける神経障害性疼痛モデル(SNLモデル)を作成し、このモデルによって疼痛閾値の変化が起こることおよび病変部における疼痛関連分子の発現上昇が起こることを予備的に検証し確認した。こうして確立した神経障害性疼痛モデルに対し、同種脂肪由来幹細胞を局所投与および全身投与した。行動解析による評価としてvon Frey test、Plantar test、cat walkを行い、疼痛関連分子の発現評価として免疫染色、ウエスタンブロットなどを行った。von Frey testやPlantar testでは、局所投与・全身投与ともに投与後1週以内に疼痛閾値の低下がみられ、3週後まで効果が持続していた。DRGにおける免疫染色では、神経障害マーカーであるATF3の染色領域が脂肪幹細胞投与群で有意に低下しており、IBA1・GFAPの発現からはAstrocyteやmicroglia活性が有意に低下しているという結果が得られた。 全身投与群においては病変への集積はみられなかったが、局所投与群では術後3週においてもASCの残存が確認できた。 In vitroの評価としてDRG primary cellを脂肪幹細胞と共培養したところ、DRG primary cellではIl-6やMmp9、CCL2などの炎症性サイトカインの発現が低下しており、一方で脂肪幹細胞においては抗炎症作用を発揮すると報告されているTsg-6の発現が増加していた。 In vivoにおける評価のため、投与したEGFPマウス由来の脂肪幹細胞を投与後にセルソーターを用いて回収することでRNAを抽出し、qPCRによる評価を行った。qPCRの結果ではin vitroと同様にTsg-6の上昇がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では2020年度に神経障害性疼痛モデルを確立する予定であったが既に達成しており、既に治療モデルの行動解析・組織学的評価まで進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
行動解析においてはCat Walkでの解析を行っている段階である. また疼痛関連分子の発現解析においてはDRGのみならず脊髄後角での発現を免疫染色ならびにqPCRによって評価する予定である。 脂肪幹細胞の挙動の評価としては、投与後3週のみならずTime pointの幅を広げ更に評価してゆく。 更に投与前後の脂肪幹細胞を回収しRNA-seqに提出、解析することで投与細胞のプロファイルがどのように変化するか評価してゆく予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していた神経障害性疼痛モデルの作成および評価につき予想以上の進展があり, 諸費用を低減することができたため. 次年度使用予定額については主にXeno-seqを含めた網羅的解析に使用してゆく予定である.
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Research Products
(35 results)