2022 Fiscal Year Annual Research Report
神経根症の発症に関与する細胞群の解析と間葉系幹細胞による病態制御法の開発
Project/Area Number |
20K09405
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松林 嘉孝 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50747962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 大典 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (60835354)
矢野 文子 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (80529040)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 整形外科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経根症は神経障害性疼痛を引き起こす代表的な疾患であり、手術等の侵襲的な治療を行っても改善しないことも少なくない。我々は間葉系幹細胞(Mesenchymal Stem Cell; MSC)を用いた変形性関節症の治療研究を行う中で、MSCの抗炎症作用、組織修復作用が関節の恒常性維持に貢献することを見出した。独自開発したマウス神経根症モデルで実験を行ったところ、有効性を示唆するデータが得られたことから、本研究を立案した。様々な行動解析による疼痛評価のほか、セルソーティング、シングルセル解析、異種混合細胞RNAシーケンス(Xeno-RNAseq)など当研究室の最新の技術を駆使して、神経根症発症に関わる細胞群を同定し、投与したMSCと周囲の細胞群とのクロストークを解析することにより、神経根症の本態を解明するとともに有効性の高い保存治療法の確立・開発を目指す。ヒト脂肪由来MSCの静脈内投与によって、ヒト脂肪由来MSCの神経根周囲への局所投与と同等の疼痛行動抑制効果がみられたことから、2022年度は静脈内投与における細胞の動態とメカニズムを解析した。 静脈内投与されたMSCは肺や脾臓など様々な網様系臓器に集積することが報告されているが、脾臓を切除したマウス個体に神経根症モデルを作成しヒト脂肪由来MSCを静脈内投与したところ、その疼痛行動抑制効果がほぼ半減した。そこで対照群と投与群で脾臓を摘出し、シングルセル解析を行ったところ、構成細胞の組成に差が見られることが分かり、現在も解析を進めている。一方で投与したMSC自体はシングルセル解析ではほとんど検出されず、脾臓の免疫細胞との相互作用を解明するには至らなかった。 現在論文執筆を行っている段階である。
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Research Products
(5 results)