2020 Fiscal Year Research-status Report
AI技術を活用した骨粗鬆症性新鮮椎体骨折の画像診断支援システムの開発に関する研究
Project/Area Number |
20K09437
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
星野 雅俊 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (30748637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 真治 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (80735605)
田淵 仁志 広島大学, 医系科学研究科(医), 寄附講座教授 (80364008)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 骨粗鬆症性椎体骨折 / 人工知能 |
Outline of Annual Research Achievements |
OVF研究データベースより新鮮OVFと診断された814例(平均76.5歳、女性:715例)の受傷時及び経時的に撮影されたMR画像1624スライス(T1強調画像、矢状断)を使用し、診療記録を参照しながら骨折椎体に対して新鮮(受傷3ヶ月未満)か陳旧性(3カ月以上)かを記録した。椎体の抽出にはPyramid scene parsing Networkを使用した。抽出された新鮮OVF 828椎体、陳旧性OVF 1779椎体を深層学習のために、それぞれTraining, Validation, Test dataに割り振った。Imbalance dataであったためAugmentationを行い、最終的にTraining dataは新鮮・陳旧性OVFそれぞれ5785椎体ずつとした。9種類のCNN(VGG16, VGG19, DenseNet121, DenseNet169, DenseNet201, Inception, ResNetV2, InceptionV3, ResNet50, Xception)を用いてEnsemble学習を行い、1番精度が高い組み合わせを採用した。CNN分類器の正確度、感度、特異度を求め、受信者動作特性(ROC)曲線を描き、ROC曲線下面積(AUC)を算出した。また、Test dataからランダムに100椎体抽出し2人の脊椎外科医(19年目、7年目)が評価し、その精度をCNN分類器と比較した。 VGG16, VGG19, DenseNet201, ResNet50の組み合わせが精度:0.89、感度:0.844、 特異度:0.917、AUC:0.949と一番精度が高かった。脊椎外科医による評価ではそれぞれ精度:0.87, 0.89、感度:0.881, 1、特異度:0.862, 0.655と19年目の方が7年目より優れ、CNNと同等であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画は単純X線画像からの骨粗鬆症性新鮮椎体骨折(Osteoporotic Vertebral Fracture:以下OVF)の検出、新鮮骨折と陳旧性骨折の判別であったが、当教室のOVF研究データベースにある画像の撮影時期が10年以上の期間や20施設以上から収集したデータであるため、均質なものでなかったり、撮影条件や脊柱変形のため、AIによる自動検出がうまくいかなかった。現時点も単純X線による前述の目的でデータを改良中であるが、MRI画像をターゲットにしたことにより、想定以上の成果を得ることができた。OVF画像診断に対するAI実装は精度:0.89、感度:0.844、 特異度:0.917、AUC:0.949とかなりの高性能に実行できたと考える。 これまでに新鮮OVF検出に関する深層学習に関する報告は我々が渉猟しえた限りではなく世界初の試みとなる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、MRI画像を用いた新鮮OVFの予後予測をAI技術を用いて研究中である。途中経過であるが、現時点で許容範囲の精度で実装できている。今後はさらに精度を高めたうえで、成果公表を早期に実現可能である。 また、単純X線に関してもAIエンジニアと膨大なデータクレンジングを行い、アノテーション方法の改良などを行っている。当初の目的通り、より実用性の高い形での社会実装を目指している。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、大学内におけるアノテーション作業の開始や遂行に遅れを生じたため、人件費が想定より抑えられた。また、画像処理用のPCやモニター類は、現時点までの研究においては所有のPCとモニターでモデル作成から解析まで研究実施ができた。 来年度は、X線やCTなども含めた様々な画像に対するAI実装画像診断補助システムの構築を図る予定であるため、計上した研究費を使用する予定である。
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