2022 Fiscal Year Annual Research Report
Notchシグナルによる関節幹細胞の維持機構の解明
Project/Area Number |
20K09452
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡田 慶太 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50759173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乾 洋 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (60583119)
矢野 文子 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (80529040)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Notchシグナル / 軟骨 / Prg4 |
Outline of Annual Research Achievements |
以前より、軟骨表層細胞にはNotchシグナルが発現していることが知られていたが、その分子機構については未だ明らかではない。本研究では、軟骨表層細胞(SFZ細胞)に着目し、SFZ細胞におけるNotchシグナルの分子制御機構の解明を目指した。まず、SFZ細胞におけるNotchシグナル関連遺伝子の発現を解析するため、コラゲナーゼ処理によりSFZ細胞とDZ細胞にとりわけ、Notchシグナルの発現を比較した。その結果、SFZ細胞ではNotchレセプター(Notch1-4)、リガンド(Jag1-2,Dll1,3,4)、転写因子(Hey1,Hes1)がDZ細胞と比較し強く発現していることが分かった。続いて、in vivoで軟骨表層におけるNotchシグナルの役割を解明するため、SFZ細胞特異的にNotchシグナルをノックアウトするPrg4-GFP-CreERT2;Ai14;Rbpjfl/flを作成した。このマウスを用いて外科的OA誘発モデルを作成したところ、Notchノックアウト群ではOAが著しく進行した。また、同マウスを用いて、NotchをノックアウトしたSFZ細胞をcell trackingしたところ、タモキシフェン投与後9か月には表層に存在するはずのSFZ細胞が深層に広く分布していた。in vitroでは、レンチウイルスベクターにより、Hey1、Hes1をDox存在下で強制発現させるATDC5細胞を作成し、Notch下流転写因子の分子制御機構を探索した。その結果、Hes1強制発現では、軟骨分化抑制作用はなかったが、Hey1強制発現では、著しい軟骨抑制作用が示された。また、Hey1強制発現によりPrg4やCreb1の発現上昇もみられた。以上のことから、Notchシグナルは軟骨表層で発現することで未分化性を維持し、Creb1を介したPrg4の発現にも関与していることが明らかとなった。
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