2023 Fiscal Year Annual Research Report
a novel therapeutic agent for osteoporosis having both antioxidant activity and PDE inhibitory activity
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20K09474
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
天野 均 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (90212571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 詠子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (10176612)
西川 恵三 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任准教授(常勤) (30516290)
青木 和広 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (40272603)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ステロイド性骨粗鬆症 / TH / 抗酸化物質 / PDE阻害薬 / 骨形成 / 骨吸収 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度として、 ヘリオキサンチン誘導体(TH)による骨芽細胞に対する骨形成能をin vitro実験で再確認した。骨誘導培地にTHを添加し、TH非添加の骨誘導培地群と比較し結果では、既報通り骨芽細胞への分化作用はTH濃度は2~3μM必要であったが、THのみの添加によるαMEM培地群では、驚いたことに骨誘導培地添加時よりも百分の一の30nMTH添加においてALP活性上昇等の石灰化誘導が起こることが認められた。THによる骨芽細胞分化とステロイドホルモンを含む骨誘導培地による骨芽細胞分化は互いに拮抗してしまうことが判明した。また骨芽細胞を分化させることが知られている活性型ビタミンDは転写因子VDRを介して分化促進するが、VDRはステロイドホルモンの転写因子RXRとヘテロダイマーを作り、各リガンドが違っても同様のシグナルを伝える可能性が高い。その証拠に最近の活性型ビタミンDは、ステロイドホルモンの作用とされている骨芽細胞を脂肪滴を含む後骨芽細胞へ分化させたり、apotosis誘導することが報告されている。骨芽細胞分化促進させるシグナルのVDRはCDK inhibitorであるp57と特異的に結合し、核内で細胞増殖を停止させながら分化因子となるタンパク産生を行っていることも我々は昨年度報告した。従って、効率的かつ持続的な骨形成を誘導するには、成熟骨芽細胞への分化作用を促進する因子(TH,ステロイドホルモン等)に前骨芽細胞の増殖因子とを併用することが重要と考えられた。ヘリオキサンチン誘導体は抗炎症・抗アレルギー薬として知られ、ステロイド製剤に替わる喘息治療薬として知られる。ステロイド療法の減薬を促進できるが、量を増加させると細胞増殖を完全に抑制してしまうので、従来考えられていた濃度より低濃度で使用し、前骨芽細胞の増殖分化因子とも併用することが重要であることがわかった。
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