2023 Fiscal Year Annual Research Report
滑膜下結合組織の線維化機構に着眼した透析患者における手根管症候群発症機序の解明
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20K09487
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
小沼 賢治 北里大学, 医学部, 講師 (80348557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 健太郎 北里大学, 医学部, 講師 (50547578)
助川 浩士 北里大学, 医学部, 准教授 (60458809)
松本 俊英 北里大学, 医学部, 講師 (10623184)
佐藤 雅 北里大学, 医学部, 講師 (40611843)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 透析 / 手根管症候群 / マトリックス産生 / 線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
手根管症候群 (CTS) は、長期血液透析 (HD)患者で頻繁に併発することが知られているが、HD患者にCTS がどのような機序で発生するかは不明である。近年、滑膜下結合組織の線維化が特発性CTSの病態に関与することが報告されている。昨年度までに滑膜下結合組織におけるβ2-ミクログロブリンの集積が滑膜下結合組織のⅠ型、III型およびⅤ型のコラーゲン産生を介して線維化に関与する可能性を示した。一方、コラーゲン以外のマトリックス成分も線維化に関与することが報告されている。本研究ではβ2-ミクロブリンを欠失したマウス(B2M-KO)の末梢神経障害モデルを作製し、線維化に伴うマトリックス産生におけるβ2-ミクログロブリン欠失の影響を検討した。野生型(Wild)マウスおよびB2M-KOマウスの右坐骨神経を 9-0 nylon で 3 カ所結紮し CCI モデルを作成した。CCI後に坐骨神経を採取しの発現を検討した。その結果、B2M-KO群ではWilid群に比べ有意に、Col12a1、Col14a1、Col6a2の発現が低かった。また、線維化に関与するグリコプロテインThbs1, Thbs3, Thbs4, Tenasic C, Versican などの細胞外マトリックスの発現もB2M KO マウス低かった。このことから、B2Mはコラーゲンのみならず種々のマトリックス産生を促すことによって線維化に関与している可能性が示された。
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