2022 Fiscal Year Annual Research Report
シングルセル解析技術に立脚した傍脊柱靱帯の構成細胞解析と後縦靭帯骨化症の病態解明
Project/Area Number |
20K09495
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大島 寧 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (50570016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 琢 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (30456107)
前田 真吾 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任教授 (60353463)
谷口 優樹 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80722165)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 整形外科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
後縦靭帯骨化症(OPLL)は進行性の後縦靭帯の骨化により脊髄が圧迫される原因不明の難病であり、本邦の有病率は約3%と比較的頻度が高い。頚椎OPLLのゲノムワイド関連解析(GWAS)によって疾患感受性候補遺伝子の1つとしてRSPO2が同定され、当研究室はその機能解析を担当してきた。その中で、RSPO2はWNTシグナルを介して骨・軟骨分化を制御するだけでなく、靭帯組織周辺の組織幹細胞で強く発現し、stemnessの維持に関与している可能性を見出した。本研究ではシングルセル解析を駆使してヒト傍脊柱靭帯を構成する細胞の種類と比率を調べ、OPLL患者の靱帯に特有の細胞の動態を解明するとともに、RSPO2とその受容体を発現する細胞の種類を検証する。それらを踏まえ、RSPO2が靱帯構成細胞に及ぼす作用を細胞種ごとにin vitroで解析した上で、マウス腱骨化モデルを用いてin vivoで統合的に検証してきた。2022年度は独自のマウス腱骨化モデルにおけるシングルセル解析のデータと、公共データベースにデポジットされているマウス腱障害モデルのシングルセル解析のデータも用いて統合的に解析を行い、RSPO2陽性のサブセットが腱修復過程で他のプロジェニターを制御・指揮するような制御性プロジェニターとして修復過程が正しく進むように作用しており、その機能喪失が異所性軟骨内骨化に繋がることを証明し、論文公表した(RSPO2 defines a distinct undifferentiated progenitor in the tendon/ligament and suppresses ectopic ossification. Sci Adv 8:eabn2138, 2022. doi: 10.1126/sciadv.abn2138.)。
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Research Products
(2 results)