2022 Fiscal Year Research-status Report
腫瘍随伴マクロファージを標的とした腎癌に対する新たな治療戦略の開発
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20K09545
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
原 勲 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (10263378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若宮 崇人 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (50794400)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 腫瘍免疫 / 腫瘍浸潤リンパ球 / 癌幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
2007年7月から2012年2月までに、当科にて根治的腎摘除術を施行した淡明腎細胞癌患者104例を対象とした。ホルマリン固定標本を用い、CD68、CD163、CD204に対する抗体を用いて免疫組織染色を行いTAMを同定した。またCD34に対する抗体を用いて血管新生を同定しその専有面積を算出した。104例中手術時の摘出凍結組織が入手可能であった43例に対しRT-PCR法を用いて癌幹細胞マーカーであるDNAJB8、およびHSF-1、免疫寛容に関連する分子であるIDOの発現を定量的に解析した。 【結果】対象患者の年齢は中央値65歳(四分位:56-73歳)、男性が70例(67%)であった。観察期間の中央値は91ヶ月(四分位:18-121ヶ月)、術後再発を23例(22%)に認めた。病理学的病期はそれぞれpT1:70例(67%)、pT2:15例(14%)、pT3:17例(16%)、pT4:2例(2%)、異型度はG1:43例(41%)、G2:55例(53%)、G3:6例(6%)、微小血管浸潤を30例(29%)に認めた。腫瘍浸潤様式はINFα:86例(83%)、β:18例(17%)であった。病理学的病期、異型度、微小血管浸潤、腫瘍浸潤様式は、それぞれ有意に術後再発と相関していた(すべてp<0.01、ログランク検定)。腫瘍関連マクロファージの免疫組織染色において陽性個数が多いほど、術後再発が多くなる傾向を認めたが統計学的に有意ではなかった。CD34陽性細胞の専有面積は、術後再発と有意な相関を認めなかった(p=0.71)。術後再発に寄与する因子について多変量cox比例ハザードモデルを用いて検討を行ったところ、異型度のみが有意な因子として同定された(p<0.01)。また、遺伝子解析が可能であった43例に関しては、DNAJB8発現の有無のみが、術後再発に寄与する傾向を認めた(p=0.08)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
癌幹細胞マーカーであるDNAJB8に関しては予想される結果が得られたものの腫瘍浸潤リンパ球(TAM)に関する解析では予想された結果と異なる結果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
TAMに関する解析に関しては症例数を増やしてさらに検討を行う。さらにDNAJB8に関しても症例数を増加し同様の結果が得られるか否かにつき検討を加える。
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Causes of Carryover |
新型コロナの影響で物品の購入に支障が生じたため
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