2020 Fiscal Year Research-status Report
運動が夜間多尿に与える影響とその病態に基づいた治療法の開発
Project/Area Number |
20K09577
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木内 寛 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (70403053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 紘一 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (30845194)
関井 洋輔 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (70824770)
稲垣 裕介 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (80804400)
竹澤 健太郎 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90648015)
福原 慎一郎 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (20609870)
野々村 祝夫 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (30263263)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 夜間多尿 |
Outline of Annual Research Achievements |
19週齢のC57BL/6マウスに高濃度塩分を含有している餌と高血圧を惹起させる薬剤を2週間投与することでヒトの夜間多尿に模した夜間多尿preclinicalマウスモデルを作った。このモデルをaVSOPを用いて尿生成リズムを測定すると、1日尿量はコントロールとモデルで変わらないが、モデルでは夜間尿量は有意に多くなった。この原因として、腎における免疫担当細胞の関与があるのではと仮説を立て、その検証を行った。まず腎の尿細管を近位尿細管、遠位尿細管、集合管で免疫組織化学染色にて染め分けた。さらに免疫担当細胞であるTリンパ球、Bリンパ球の免疫組織学的染色を行うと、腎におけるTリンパ球の浸潤が夜間多尿モデルでは有意に増加した。このことは夜間多尿に腎の免疫担当細胞が影響を及ぼしていることを示す。さらにこのリンパ球がどの尿細管に対して、作用を行っているかについては現在検討中である。またヒトの夜間多尿では高血圧や腎機能、睡眠障害が原因となっている。このモデルにおいてこれらのことが夜間多尿に影響を及ぼしているかについて検討した。まず血圧ではモデルでは高血圧を呈していたので、降圧剤を投与することで夜間多尿が軽減するかを検討したところ、夜間多尿は軽減しなかった。つまり高血圧自身が夜間多尿を及ぼしているわけではなかった。また腎機能についてはコントロール群と夜間多尿モデル群で有意差を認めなかった。さらに睡眠障害がないかについて非活動期における行動様式のビデオ撮影を行うと、コントロール群と夜間多尿モデル群では有意差がなかった。つまりこれらの一般的に夜間多尿の原因となっていることに差を認めなかったため、違う機序で多尿になっていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の影響があり、実験時間を十分に取ることができなかった。また、高血圧を引き起こす薬物と高塩分含有餌を19週齢C57BL/6に2週間投与することで夜間多尿モデルを作成している。このモデルが実際に夜間多尿であることを調べる必要があり、aVSOPという小型機械で測定しているが、3週間の薬剤、塩分投与が4-5週間になってしまい、モデルの作成を再度する必要があり、モデル作成からさらに実験を進めるのに時間を要した。 また、腎の免疫担当細胞が尿生成リズムに与える影響を調べている。その免疫担当細胞がどの尿細管に影響を及ぼしているかについて検討するために、腎の近位尿細管のみ、遠位尿細管のみ、集合管のみを免疫組織化学染色にて染め分ける必要があるが、その染め分けがなかなかうまく行かなかった。マウスの非活動期尿量は非常に少なく、それを代謝ケージにて回収しているが、そこからさまざな物質を測定するのに十分な量を確保できなかった。現在では非活動気尿量を直接測定することは困難であったため、1日尿を確保する日を2日、活動期尿を確保する日を2日にし、非活動期尿をそれらの差で測定することにしてからはうまくいっている。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の影響があり、機械の購入や修理にやや時間がかかっている。今後はトレッドミルによる運動が夜間多尿に対し、どうような効果をもたらすのかとそのメカニズムの解明をする必要がある。まずは腎尿細管の染め分けの確立を行い、どの免疫担当細胞がどの尿細管に影響があるのかについて検討する。またトレッドミルの強度やトレッドミルを行う時間によって、マウスの夜間多尿に及ぼす効果が異なったりすることが予想される。これをヒトにトランスレーショナルする研究を行うことで、さらに興味深い結果が出てくることが予想される。
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Causes of Carryover |
研究を進めていくうえで必要に応じて研究費を執行したため、当初の見込み額と執行金額が異なった。
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