2022 Fiscal Year Annual Research Report
運動が夜間多尿に与える影響とその病態に基づいた治療法の開発
Project/Area Number |
20K09577
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木内 寛 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (70403053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 紘一 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (30845194)
関井 洋輔 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (70824770)
稲垣 裕介 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (80804400)
竹澤 健太郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (90648015)
福原 慎一郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (20609870)
野々村 祝夫 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30263263)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 夜間多尿 / 一酸化窒素 |
Outline of Annual Research Achievements |
夜間多尿は夜間頻尿全体の約6割を占める原因となっているが、その分子メカニズムはよくわかっておらず、治療法も確立していない。我々はそのメカニズムの解明と分子メカニズムに基づいた新規治療法の開発をすべくマウスを使って実験を行っている。まずマウスに1%高塩分食を2週間与えることによって夜間多尿モデルを作成し、これらのマウスに運動負荷を与えることで夜間多尿が改善するかどうかについての実験を行った。運動による効果は、夜間多尿モデルマウスに対して、続く4週間にトレッドミルで中強度運動を行った運動群と運動負荷を与えなかった安静群について、マウスの排尿行動を測定するaVSOPを用いて、夜間排尿行動を比較した。安静群と比較して、運動群では夜間排尿率が優位に低下していた。このマウスの尿中NOxを測定すると、運動群で優位に上昇しており、運動によりNOが上昇することで、夜間排尿率が改善していることがわかった。次にL-NAMEでNOの発生を完全に抑制すると運動しても夜間排尿率が改善せず、運動によるNOの上昇が夜間多尿を改善させるには重要な働きを持つことがわかった。以前の実験で夜間多尿には腎における局所RAS系の亢進が重要な働きをしていることがわかっており、運動による腎RAS系の変化を調べたところ、運動すると腎RAS系の抑制が認められた。以上のことより中強度の運動は腎RAS系を抑制し、NOの発生を増加させることで、夜間多尿を改善させることがわかった。
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