2020 Fiscal Year Research-status Report
卵巣癌オルガノイドとドライバージーン解析に基づいた難治性卵巣癌個別化治療法の確立
Project/Area Number |
20K09630
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
片岡 史夫 国際医療福祉大学, 医学部, 准教授 (40306824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤羽 智子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (40398699)
平沢 晃 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (90296658)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 卵巣癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
卵巣癌の初回治療終了後から6カ月以内の再発はプラチナ抵抗性とされる。プラチナ抵抗性の再発卵巣癌に対する治療は選択薬剤が乏しいうえ、完治が難しいという理由から緩和医療やQOLの向上および生存期間の延長を目的とする治療がなされているのが現状である。そこで本研究はプラチナ抵抗性卵巣癌に対するセカンドライン以降の治療薬剤の選択ツールをゲノム解析と薬剤感受性試験(DSRT)から確立することを目的としている。 本年度は患者腹水検体より樹立した細胞株にてDSRTを行い培養環境条件の違いによる差異について基礎的検討を行った。樹立細胞株由来の腹水は初診時には卵巣癌が疑われていたが病理学的検索から悪性腹膜中皮腫(MPeM)と診断された検体を使用した。腹水採取時の臨床状態はシスプラチン(CDDP)とぺネトレキセド(PEM)併用療法終了後に再発が確認され、PEM単剤にて追加治療中であった。検体の腫瘍細胞含有割合は細胞診標本による顕微鏡下での目視確認にて90%以上を占めていた。樹立細胞株を2次元平面培養用Plateと3次元立体培養用NanoCulture Plateにそれぞれ播種して異なる培養環境を模倣した。各Plateは5%CO2条件下で37℃で培養した後、細胞播種から3日目に薬剤添加、6日目にATP活性を吸光度測定し、数値をグラフ化して基準値と比較しIC50を示す薬剤濃度を評価した。MPeM細胞株の比較対象として卵巣癌由来細胞株OVCAR-3とSKOV-3を使用した。 その結果、PEMのDSRTはMPeM由来細胞株は2次元平面培養で感受性を示したのに対し、3次元立体培養では細胞増殖抑制傾向は示したが最終的には非感受性であった。比較対象のOVCAR-3とSKOV-3では高濃度のPEMでも非感受性であった。CDDPはすべての細胞で培養条件に関わらず非感受性を示した。 今回の結果から、MPeM由来樹立細胞株の3次元立体培養による環境条件はPEM抵抗性を示した臨床状態に類似した環境を模倣したと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は本来の目的である卵巣癌症例のDSRTが実施できていないことからやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子変異に基づく推奨薬剤の薬剤感受性試験を予定しており、再発卵巣癌症例を対象として、オルガノイドによる生体内の環境を模倣した培養条件で薬剤感受性試験(DSRT)の実施を実施する。対象薬剤は、現時点で卵巣癌に対し保険承認が得られている薬剤および治験中の分子標的約など36剤を中心に用いる予定である。 また、腫瘍病変の次世代シークエンサー解析を行いドライバージーンの検出を試み、薬剤感受性と遺伝子解析結果の比較を行う予定である。それにより、再発卵巣癌に対する薬剤感受性とゲノム変化の両側面からの解析に基づいた至適薬剤の選択法の確立を目指す。
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Causes of Carryover |
本研究内容は次世代シークエンサー解析を予定している。次世代シークエンサー解析は解析用検体が一定数集積された時点での稼働が解析効率や費用的な面から好ましい。したがって本年度は解析用検体を集積するまでにとどめ機器の稼働を次年度に持ち越したことから次世代シークエンサー稼働時に必要なサイクル試薬等の購入を次年度に持ち越したため使用額が生じた。
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Research Products
(19 results)
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[Journal Article] Patient-derived ovarian cancer organoids capture the genomic profiles of primary tumours applicable for drug sensitivity and resistance testing2020
Author(s)
Nanki Yoshiko, Chiyoda Tatsuyuki, Hirasawa Akira, Ookubo Aki, Itoh Manabu, Ueno Masaru, Akahane Tomoko, Kameyama Kaori, Yamagami Wataru, Kataoka Fumio, Aoki Daisuke.
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 10
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Clinical implications of next‐generation sequencing‐based panel tests for malignant ovarian tumors2020
Author(s)
Saotome Keiko, Chiyoda Tatsuyuki, Aimono Eriko, Nakamura Kohei, Tanishima Shigeki, Nohara Sachio, Okada Chihiro, Hayashi Hideyuki, Kuroda Yuka, Nomura Hiroyuki, Susumu Nobuyuki, Iwata Takashi, Yamagami Wataru, Kataoka Fumio, Nishihara Hiroshi, Aoki Daisuke.
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Journal Title
Cancer Medicine
Volume: 9
Pages: 7407-7417
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Evaluating the importance of routine drainage following laparoscopic pelvic lymph node dissection for gynecological malignancies2020
Author(s)
Sakai Kensuke, Nakamura Masaru, Yamagami Wataru, Chiyoda Tatsuyuki, Kobayashi Yusuke, Nishio Hiroshi, Hayashi Shigenori, Nomura Hiroyuki, Kataoka Fumio, Tominaga Eiichiro, Banno Kouji, Aoki Daisuke.
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Journal Title
International Journal of Gynecology & Obstetrics
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] 腹腔鏡下子宮筋腫核出術における超音波凝固切開装置と電気メス・クーパーの手術成績の比較検討2020
Author(s)
松沢 優一, 林 茂徳, 長谷川 慶太, 吉村 拓馬, 永井 晋平, 平野 卓朗, 千代田 達幸, 仲村 勝, 片岡 史夫, 田中 守, 青木 大輔.
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Journal Title
東京産科婦人科学会会誌
Volume: 69(2)
Pages: 147-152
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] 骨転移を伴う再発子宮体癌に対して、ホルモン療法とデノスマブの併用療法が効果を示した1例2020
Author(s)
佐竹 恵, 山上 亘, 吉村 拓馬, 平野 卓朗, 真壁 健, 坂井 健良, 辻 浩介, 小林 佑介, 片岡 史夫, 阪埜 浩司, 青木 大輔, 進 伸幸.
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Journal Title
東京産科婦人科学会会誌
Volume: 69(2)
Pages: 341-345
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] 更年期症状を契機に診断された甲状腺機能異常の2例2020
Author(s)
平田 桃, 横田 めぐみ, 谷本 慧子, 仲村 勝, 山上 亘, 森定 徹, 片岡 史夫, 岩田 卓, 阪埜 浩司, 田中 守, 青木 大輔.
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Journal Title
東京産科婦人科学会会誌
Volume: 69(3)
Pages: 575-580
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] 悪性腹膜中皮腫細胞株KOG-1の3次元立体培養と2次元平面培養によるPEM薬剤感受性の比較2020
Author(s)
赤羽 智子, 平沢 晃, 冨永 英一郎, 井本 逸勢, 大久保 亜希, 伊藤 学, 南木 佳子, 吉浜 智子, 増田 健太, 千代田 達幸, 山上 亘, 片岡 史夫, 青木 大輔.
Organizer
第61回 日本臨床細胞学会総会春期大会
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[Presentation] 当院におけるロボット支援下手術の導入経験2020
Author(s)
西尾 浩, 山上 亘, 仲村 勝, 片岡 史夫, 竹田 貴, 吉村 拓馬, 森定 徹, 青木 大輔.
Organizer
第42回 日本産婦人科手術学会・第8回 日本婦人科ロボット手術学会 西尾 浩, 山上 亘, 仲村 勝, 片岡 史夫, 竹田 貴, 吉村 拓馬, 森定 徹, 青木 大輔
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[Presentation] 子宮体癌手術における術中迅速病理診断の有用性の検討2020
Author(s)
大岡 令奈, 山上 亘, 南木 佳子, 永井 晋平, 平野 卓朗, 千代田 達幸, 小林 佑介, 片岡 史夫, 阪埜 浩司, 田中 守, 青木 大輔.
Organizer
第139回 関東連合産科婦人科学会 総会・学術集会
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[Presentation] 扁平上皮病変を考える-どこからLSILとして拾うか・どこからHSILとするべきか- LSILとHSILの診断の難しさ 細胞診と組織診2020
Author(s)
進 伸幸, 齊藤 英子, 佐野 弘子, 森 一郎, 永吉 陽子, 上田 和, 河原井 麗正, 木原 真紀, 岡田 智志, 片岡 史夫, 相田 真介.
Organizer
第59回 日本臨床細胞学会総会秋期大会
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