2021 Fiscal Year Research-status Report
3次元オルガノイド培養を用いた難治性卵巣癌の個別化医療の構築
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20K09659
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
大道 正英 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (10283764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 正美 大阪医科薬科大学, 医学部, 准教授 (00551748)
田中 良道 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (10625502)
恒遠 啓示 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (70388255)
佐々木 浩 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (80432491)
古形 祐平 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (80829953)
田中 智人 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (90411363)
藤原 聡枝 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (90707960)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 卵巣癌 / オルガノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
卵巣癌の中でも、癌組織中にCD24を発現している患者ではプラチナ製剤耐性であり予後不良であることを我々はこれまでに示してきた。このことより、初回治療前時点で標準的治療に抵抗性である可能性が高い患者に対して、より効果的な治療法を個別に検出することを目的に研究をすすめている。癌オルガノイドを作製し、既存の薬剤ライブラリーによる薬剤感受性スクリーニングを行い、効果的な治療薬候補を既存の薬剤の中から特定する。癌オルガノイドを用いることにより、より生体に近い状態で薬剤感受性を検討できる点がこの方法の長所である。 今年度は、採取した卵巣癌組織をCD24の発現強度により、4段階でスコア化した。スコア2以上をCD24陽性と判定し、CD24陽性癌とCD24陰性癌に区別した。それらの検体を用いて、癌オルガノイドを作製した。癌オルガノイドのH&E染色を行い、手術検体の性質が維持されていることを確認した。性質が維持されていることが確認できたオルガノイドを用いて、まず我々の研究室で保有している複数の抗癌剤を投与し、CellTiter-Gloを用いてcell viabilityを検討し、候補となる薬剤を個別に検出した。次に、NOD scidマウスにこれらの癌オルガノイドを移植し、マウス生体内でのそれらの薬剤に対する反応を検討することを予定しているが、移植組織の生着に困難を要している。マウスモデルでの検討方法を模索するとともに、手技向上のため、他癌種でもオルガノイドを作製していきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
薬剤を複数種類投与できるだけのオルガノイドを1検体ごとに作製する点や、マウスモデルに応用する点での手技上の問題があり、遂行に時間を要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
検体の採取、保存法を再検討し、より効果的なオルガノイド作製を確立する。場合によっては、2次元培養下での薬剤感受性についても検討を加えることも考えていく。
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Causes of Carryover |
実験に必要な物品の輸入にこれまでよりも時間を要しており(外国からの飛行機の減便、プレート等の需要増加に伴う在庫切れ)、物品がそろうまでに日数を要することが多くなったため、次年度使用が生じた。次年度は、上述の通りオルガノイドの作製や2次元培養下での薬剤感受性検討を実施するために研究費を使用する予定である。
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