2020 Fiscal Year Research-status Report
気道乳頭腫における予後予測因子の探索:診療の効率化を目指して
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20K09739
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
松崎 洋海 日本大学, 医学部, 准教授 (00451328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅居 僚平 日本大学, 医学部, 助手 (60851095)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 再発性気道乳頭腫 / 臨床経過 / HPV-DNA |
Outline of Annual Research Achievements |
背景:気道に発生する乳頭腫のうち、再発を繰り返す難治性のものを再発性気道乳頭腫症(以下RRP)と呼ばれる。RRPに対しては、様々な補助療法が行われているが、その適応基準や適切な介入のタイミングも不明なまま行われている現状がある。現実的には再発を繰り返すようになってから、事後的に病勢を抑制するために補助療法が使われている。あるいは再発を恐れるあまりに無用な漢方薬の使用が行われ、医療費の増大につながっている。そのため、予後予測因子は、診療の目安として重要だと考える。我々のこれまでの研究結果から、気道乳頭腫で治療の前後でHPV-DNAの有無を確認した際に、HPV-DNAが治療後に検出されない場合は再発性や増殖性が乏しい可能性を見出した。 目的と意義:本研究の目的は、気道乳頭腫の再発性と増殖性を予測する因子としてのHPV-DNAの可能性を探ることにある。もし、HPV-DNAの検出の有無が、その後の予後に関連があれば、その再発性を予測できることになり、気道乳頭腫の適切かつ効率的な診療方針・スケジュール・補助療法の適応基準を創出につながることが期待できる。 研究の状況:当施設で診療をしたRRPを含めた気道に発生した乳頭腫患者を全体を対象に、患者の同意のもと、気道からの粘液採取および粘膜採取し、ヒトパピローマウイルス(HPV)のDNA検査を行った。その検査数は、延38件になっている。 同時に、該当患者を定期的にファイバースコープによる上気道全体の観察を行った。該当患者の臨床症状の程度、残存あるいは再発腫瘍の個数・大きさ、発症部位などに関するデータを蓄積した。 ここまでの途中経過を小括し、医学雑誌に投稿し、現在審査待ちの状態である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の計画通りに、現在は当施設で診療をした再発性気道乳頭腫患者を対象に、下記のようなデーターを収集している。 進捗状況:概ね想定の範囲内であるが、新型コロナウイルス感染の全国規模での流行があり、遠方在住の患者を中心に受診を控えることが散発的に起こった。そのため、一部の患者において、当初の予定通りの臨床データー取得のタイミングがずれるあるいは取得不可能(欠失)することがあった。しかし、全体的なデーターの取得数としては上述の如く想定される範囲で進行している。 具体的な取得データー:患者の同意のもと、気道からの粘液採取および粘膜採取し、液相ハイブリダイゼーション法およびconsensus-primer directed PCR法によるヒトパピローマウイルス(HPV)のDNA検査を行った。その検査数は、延38件になっている。同時に、該当患者を外来でのファイバースコープによる上気道の観察を行った。臨床的な該当患者の症状の程度、腫瘍の大きさ、散在性、再発性などのデータを蓄積した。これらのデーターは、主にDerkayによる気道乳頭腫重症度スコアリングシステムを用いて行っている。また、必要であれば手術治療の介入を適宜行った。 ここまでの途中経過を小括し、医学雑誌に投稿し、現在審査待ちの状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、現行のデータの蓄積を進めていく。 具体的には、治療介入前後のDerkayによる気道乳頭腫重症度スコアリングシステムを用いた臨床症状および腫瘍の程度・ひろがりなどを確認する。また、定期的に患者の同意のもと、気道からの粘液採取および粘膜採取し、液相ハイブリダイゼーション法およびconsensus-primer directed PCR法によるヒトパピローマウイルス(HPV)のDNA検査を行う。おおむねこれらの検査は、治療前と治療後の1年後、2年後、3年後、4年後、5年後(先行研究開始時点のものを含めて)に行う予定としている。加えて、HPV-DNAの陰性症例と治療前陽性例でも陰性化が起こるのか、起こるのであれば長期間持続するのかについても検討していく予定としている。 その上で、治療前HPV-DNA陰性例および治療後にHPV-DNA陰性化した患者群と HPV-DNA陽性持続した患者群とのあいだで、再発率や重症度に差があるのかどうかを検討する方針である。
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Causes of Carryover |
当初、初年度に1,900,000円程度の中古のビデオスコープの購入を見込んでいたが、中古のスコープの流通の関係で都合がつかなかった。やむなく、臨床で使用している他のスコープを用いて代用していた。都合がつけば、当初の予定通りに次年度の購入していく予定である。
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