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2023 Fiscal Year Research-status Report

気道乳頭腫における予後予測因子の探索:診療の効率化を目指して

Research Project

Project/Area Number 20K09739
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

松崎 洋海  日本大学, 医学部, 准教授 (00451328)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 浅居 僚平  日本大学, 医学部, 助教 (60851095)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2025-03-31
Keywords喉頭乳頭腫 / 再発 / HPV
Outline of Annual Research Achievements

引き続き、咽頭・喉頭・気管といった気道に発生した乳頭腫の臨床データを集積している。呼吸器の新生物である気道頭腫症の診療の効率化が、本研究の最大の 目的である。中でも再発性気道乳頭種においては、主に喉頭に病変が集中して発生するが、喉頭外への病変の播種が起こることが知られている。乳頭腫の発生には、ヒトパピローマウイルスHPVの感染が関与していることは過去の知見から明らかである。しかし、この気道乳頭腫の再発のメカニズムは未だ不明なままであり、HPVの感染が再発に関与するのかどうかも明らかでない。これまで我々の研究結果からは、咽頭や喉頭の分泌物や組織中にHPV-DNAの検出している例では、高確率で咽頭喉頭の乳頭腫が存在していた。また、治療前に咽頭喉頭分泌液中にHPV-DNAが検出された乳頭腫の患者では、治療後にHPV-DNAが検出されなくなる症例と検出され続ける症例とが存在することがわかった。また治療後に腫瘍が咽頭・喉頭に再発や播種する研究参加者では高率に治療後にも持続的にHPV-DNAが咽頭喉頭分泌液に検出されることが明らかになった。そこで今年度はさらに、観察期間を延長し、それらの傾向が継続的に見られるのかどうかについて、HPV-DNA検査と臨床データの蓄積をすすめた。具体的には、今年度はのべ68件のHPV-DNA検体を取り扱った。それと同数の臨床データを追加した。その中で、後述の興味深いデータを取得した。さらに観察を行い、HPV-DNA検出状況と臨床データとの関連の有無を確認していく。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

これまでの本研究から、治療前後に行うHPV-DNAの検出結果が、治療後に再発や遺残などの気道乳頭腫の存在との関連を疑われている。つまり、治療前にHPV-DNAが検出されていた咽頭喉頭乳頭腫患者のなかで、治療を行なったのち、再発・遺残・播種などが起こらない研究参加者ではHPV-DNAが検出され続ける例数よりも検出されなくなることが多いという結果であった。一方、HPV-DNAが治療後にも検出され続ける研究参加者では、臨床的にも咽頭喉頭乳頭腫の治療後再発・遺残・播種が多く認めていた。
また、術中にnarrow band imaging (NBI)を利用した内視鏡での評価を加えることで、手術前には観察できなかった病変が見つかる事象について検討を行なった。結果として、術中に上記の内視鏡での観察下に治療を行うと、術前には観察されなかった極小病変を確認できることが明らかになった。これにより、術中のNBIの併用が腫瘍の遺残の減少につながることが期待されるという知見を得て、これを英文論文として投稿し、掲載された。
さらに今回興味深い以下のような事象が認められた。それは、観察期間が伸びていくと、手術及び補助療法の追加でHPV-DNAがいったん検出されなくなった研究参加者の中で、再度HPV-DNA陽性となる参加者が散見されるようになった。またそうした参加者は、臨床的にも腫瘍の再発が確認されていた。そうしたことから、観察期間を可能な限り伸ばし、前述のような参加者がより増えるのかを確認するため、約6ヶ月間の観察期間の延長を申請した。

Strategy for Future Research Activity

次年度は前述のごとく、治療後に一旦はHPV-DNAが検出されなくなっても、再度HPV-DNAが検出されるようになる研究参加者の有無と参加者の臨床経過を確認するため、前半6ヶ月の観察期間の延長を行う。
その結果を、集計し後半6ヶ月の間で研究成果を取りまとめ、学術集会での発表または学術雑誌に投稿することで、本研究の最終結果を報告することを目指す。

Causes of Carryover

さらに6ヶ月の観察期間延長し、 HPV-DNA検査をさらに行うため。また、学会参加・発表準備・論文校正・翻訳・投稿などの経費を算定した。

  • Research Products

    (4 results)

All 2024 2023

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Human Papillomavirus Vaccination as an Adjuvant Therapy for Recurrent Respiratory Papillomatosis: Additional Case Series2024

    • Author(s)
      Matsuzaki Hiroumi、Makiyama Kiyoshi、Hasegawa Hisashi、Asai Ryohei、Morita Masato、Oshima Takeshi
    • Journal Title

      Journal of Voice

      Volume: 38 Pages: 204~209

    • DOI

      10.1016/j.jvoice.2021.07.019

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Usefulness of Intraoperative Narrow‐Band Imaging in the Site Diagnosis of Respiratory Papillomatosis2023

    • Author(s)
      Matsuda Keishi、Matsuzaki Hiroumi、Fujiwara Dai、Makiyama Kiyoshi、Oshima Takeshi
    • Journal Title

      The Laryngoscope

      Volume: 134 Pages: 1820~1824

    • DOI

      10.1002/lary.31089

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 再発性気道乳頭腫症患者の臨床経過におけるHPV感染状況の推移2023

    • Author(s)
      松﨑洋海、浅居僚平、原田英誉、河野航、馬場剛士、片野博文、杉原怜、海野昌也
    • Organizer
      第74回 日本気管食道科学会総会及び学術講演会
  • [Presentation] 咽頭乳頭腫におけるHPV関与の検討2023

    • Author(s)
      浅居僚平、松﨑洋海、原田英誉、河野航、馬場剛士、片野博文、杉原怜、海野昌也、牧山清、大島猛史
    • Organizer
      第74回 日本気管食道科学会総会及び学術講演会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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