2020 Fiscal Year Research-status Report
Creation of a novel vestibular rehabilitation method applying neurofeedback technology
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20K09752
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
高倉 大匡 富山大学, 学術研究部医学系, 講師 (50345576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
將積 日出夫 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (60187507)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 慢性めまい / 前庭リハビリテーション / ニューロフィードバック / 近赤外線分光法 / 脳波 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度では、正常被験者及び慢性めまい患者の前庭リハビリテーション(以下前庭リハ、感覚代行刺激訓練を含む)のバランス機能および大脳皮質機能への効果を評価するために、以下の研究を行った。 正常被験者16名に対して、閉眼下でラバー上30秒間、その後開眼、安定下での直立1分間を交互に10回行う課題を2セット(1セットでは感覚代行刺激装置を併用)行い、その前後の重心動揺検査(60秒、開眼、閉眼、開眼ラバー負荷、閉眼ラバー負荷の4条件)、大脳血流応答を評価した。重心動揺検査では、外周面積、ラバーロンベルグ率、閉眼ラバー比の改善をみとめた。大脳皮質血流応答では、両側一次体性感覚野、一次運動野、補足運動野が賦活化し、訓練効果との関連が示唆された。 前庭障害後慢性めまい患者6人に対して、感覚代行装置を用いた自宅でのバランス訓練を3ヶ月毎日施行させ、1ヶ月毎に自覚症状(DHI、VSS等)、重心動揺検査、閉眼ラバー負荷による不安定条件下での大脳血流応答計測などをおこなった。結果、自覚症状、重心動揺検査のパラメータの改善は症例毎に異なっていたが、自覚症状の著明改善例では訓練効果と関連して重心動揺検査の視標が改善する傾向を確認した。 上記研究と平行して、既存物品の運動下で計測可能な携帯型NIRS計測システムに同期して脳波計測可能とするための新たな脳波測定システムを導入し、動作検証を行った。これにより、脳の血流と電気活動という、異なる視標を用いて、前庭リハによる詳細な大脳活動の変化を計測することが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルス感染症の蔓延により、被験者を用いた実験が制限されたこと、適応患者のアル慢性めまい患者の確保や協力を得ることが困難となったこと、新たな計測システムの導入に支障が出たことがあげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、これまで行っている正常被験者、慢性めまい患者における前庭リハビリテーションと大脳皮質活動にかんする計測を継続し、データの蓄積を図る。また、脳血流変化を視覚・聴覚的な変化として呈示可能なニューロフィードバック装置(既存)を用いた大脳局所血流賦活化訓練が、既存のバランス訓練に対してどのように影響するかを、正常並びに慢性めまい患者を用いて検証する予定である。
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Causes of Carryover |
研究業績の発表のための学会参加に関する支出が大幅に減少した(コロナウイルス感染により、学会の中止あるいはWebによる開催に変更されたため事が影響)ことが当院となった。 また、コロナウイルス感染症万円により研究の進行に遅れが生じた結果、論文投稿ができず、投稿料などの支出がなかったこともあげられる。次年度以降、消耗品購入、学会参加、論文投稿、被験者謝金などに運用したいと考えている。
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