2021 Fiscal Year Research-status Report
Creation of a novel vestibular rehabilitation method applying neurofeedback technology
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20K09752
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
高倉 大匡 富山大学, 学術研究部医学系, 講師 (50345576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
將積 日出夫 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (60187507)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 慢性めまい / 前庭リハビリテーション / 感覚代行 / 近赤外線分光法 / 大脳血流応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度では、感覚代行刺激(バイオフィードバック装置)を用いた前庭リハビリテーション中の、前庭障害後慢性めまい患者に対するバランス機能および大脳皮質機能への効果を評価するために、以下の研究を行った。 昨年からの研究に引き続き、前庭障害後慢性めまい患者に対して、感覚代行装置を用いた自宅でのバランス訓練を3ヶ月毎日施行させ、1ヶ月毎に自覚症状の主観的評価(DHI、VSS等)、重心動揺検査、閉眼ラバー負荷による不安定条件下での大脳血流応答計測などをおこない、さらなるデータ集積を試みた。自覚症状の改善に関しては、症例によって異なっていたため、特に改善効果の高かった症例に関して、解析を行ったところ、主要評価項目であるめまい主観的評価(DHI)の経時的変化(治療による改善効果)と、重力感受性の評価指標である頭部傾斜感覚ゲイン(HTPG)との間に有意な正の相関が認められ、上記治療が慢性めまい患者の重力感受性を改善する可能性が明らかとなった。さらにDHIの改善と相関のある変化を示した大脳皮質領域を検討した結果、運動前野と一次体性感覚野~頭頂間溝前端領域で負の相関が確認された。これら脳領域は、運動制御、体性感覚と前庭感覚情報の統合・重力運動の認知などに関与しているとされ、バイオフィードバックによる前庭リハが重力知覚に関与する大脳領域活動に可塑的変化を起こすことで、従来の治療で改善しない慢性めまいを改善させる可能性があることを明らかとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナウイルス感染症の蔓延の影響もあり、被験者を用いた実験が制限されたことや、対象となる慢性めまい患者の被験者確保や協力を得ることが困難となり、予定されていた実験データの収集に遅れが出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの感覚代行装置を用いた前庭リハビリテーションの効果と大脳機能への影響を計測する研究により、難治性慢性めまい患者に対する前庭リハビリテーションによる大脳の過疎的変化を示す新たな知見が得られたので、さらに症例を増やして、同リハビリテーションの有効性や大脳活動の可塑的変化からみた作用メカニズムを明らかとしたい。さらに、脳血流フィードバック装置を用いた新規前庭リハビリテーションシステムの開発のための被験者データの採取を並行して行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究業績の発表のための学会参加に関する支出が大幅に減少した(コロナウイルス感染症蔓延により、学会の中止あるいはWebによる開催に変更されたため事が影響)ことが要因となった。 また、コロナウイルス感染症の蔓延により研究の進行に遅れが生じた結果、論文投稿ができず、投稿料などの支出がなかったこともあげられる。次年度以降、消耗品購入、学会参加、論文投稿、被験者謝金などに運用したいと考えている。
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Research Products
(2 results)