2020 Fiscal Year Research-status Report
鼻副鼻腔乳頭腫由来癌の癌化予測法確立と予測因子の網羅的解析
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20K09757
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
安松 隆治 九州大学, 医学研究院, 准教授 (00444787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有村 秀孝 九州大学, 医学研究院, 教授 (20287353)
亀澤 秀美 帝京大学, 公私立大学の部局等, 講師 (50759503)
内 龍太郎 九州大学, 大学病院, 助教 (80780840)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 鼻副鼻腔乳頭腫 / 乳頭腫由来癌 / SCC抗原 / SCCA1 / SCCA2 / 遺伝子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
鼻副鼻腔乳頭腫は鼻副鼻腔疾患の3.5~9.8%を占める良性腫瘍で、内反性乳頭腫が最も多く、1.2~24%の頻度で悪性腫瘍(乳頭腫由来癌)を合併するといわれている。しかしながら乳頭腫由来癌の診断は必ずしも容易でなく、深部のみに癌を認める場合、術前に癌と診断されない割合は全体の4割ともいわれており、診断が遅れた場合、治療法選択に影響することが問題点としてあげられる。また、癌化のメカニズムも不明であり、一部の乳頭腫由来癌では通常の鼻副鼻腔癌と比べて予後が悪い可能性も指摘されている。本研究の目的は、精度を高めた鼻副鼻腔乳頭腫由来癌の術前診断および癌化メカニズムを解明した上での治療法を確立することである。 2020年度は、当初2、3年目に計画をしていた癌化メカニズム解明のための遺伝子網羅的解析を先行して行った。4症例の乳頭腫由来癌症例から乳頭腫部分3検体、癌部分3検体の計6検体についてアンプリコンシークエンスを用いた遺伝子変異解析を行った。FFPE標本から、レーザーマイクロダイセクション法を用いることで乳頭腫部分と癌部分に分離しDNAを抽出した。その結果、既知の変異であるTP53は4例中3例(75%)、APCは4例(100%)に認めた。またARID1A 3例 (75%)、NF1 2例(50%)といったこれまで乳頭腫由来癌では報告されていない、がん抑制遺伝子の不活化変異を認めた。同一症例内での乳頭腫と乳頭腫由来癌の比較では、明らかな癌関連遺伝子変異の差異は認めなかった。以上の結果を英文論文として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
レーザマイクロダイセクションによるFFPE標本からのDNA抽出が想定よりも短時間で可能であったため、遺伝子解析が順調に進められた。
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Strategy for Future Research Activity |
1,2年次に予定していた 1.乳頭腫由来癌の予測を目的とした腫瘍マーカーの確立および2.レディオミクスに基づき画像検査から乳頭腫由来癌を予測する方法の確立 については今年度から順次進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
理由)初年度に行う予定であったSCCA1,SCCA2測定のための試薬購入に関わる経費が本年度になったため。 計画)SCCA1,SCCA2測定に用いるELISA購入費用が生じる予定である。
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Research Products
(3 results)