2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of deep learning based diagnostic support system for thyroid eye disease
Project/Area Number |
20K09804
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北口 善之 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (30772842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 良 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70301067)
長原 一 大阪大学, データビリティフロンティア機構, 教授 (80362648)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 甲状腺眼症 / 深層学習 / エッジAI / スクリーニング / 眼周囲写真 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、甲状腺眼症の早期発見と適切な治療開始のために、スマートフォンで動作するAIシステムを開発した。このシステムは、顔写真から眼周囲を自動的に同定し、治療が必要な甲状腺眼症の可能性を判定することができる。昨年度までに開発した甲状腺眼症判定モデルと同等の精度を達成し、エッジAIを用いてスマートフォンでの実装に成功した。 この成果は、甲状腺眼症専門医が不在の状況下でも、内分泌内科医や一般眼科医が適切に治療が必要な甲状腺眼症患者をスクリーニングできる可能性を大きく高めるものである。早期発見と適切な治療開始は、患者のQOLを維持し、重篤な合併症を防ぐために非常に重要である。 また、AIを用いた眼周囲写真からの眼球突出度推定について、第4回日本眼科AI学会で発表を行った。現時点では、写真取得施設による精度のばらつきが大きいことが判明し、今後の検討課題として明らかになった。 さらに、共同研究先のオリンピア眼科と協力し、120患者でのスマートフォン動画収集を行った。今後も画像収集を継続し、スマートフォン画像に適応したモデルの開発を進めていく方針である。 本研究の成果は、甲状腺眼症の早期発見と適切な治療開始に大きく貢献し、患者のQOL向上と重篤な合併症の防止に寄与すると期待される。また、スマートフォンを用いたAIシステムの開発は、医療現場における利便性と汎用性を高め、医療のデジタル化と効率化に資するものである。
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