2020 Fiscal Year Research-status Report
マルチオミクス機械学習による制御性T細胞の可塑性と不均一性の解明
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20K09810
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
猪俣 武範 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10645667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 正裕 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任助教 (40634449)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | マルチオミクス解析 / 免疫寛容 / 制御性T細胞 / 角膜移植 / 眼免疫 / RNAseq |
Outline of Annual Research Achievements |
角膜移植は世界で年間60,000件以上行われる最も多い臓器移植であるが、感染症や再移植で血管新生や炎症が惹起された高リスク角膜に対する移植では40-90%の拒絶反応を伴う。制御性T細胞の挙動が拒絶反応克服の手がかりであるが、炎症などの外部環境の変化により転写因子であるFoxp3が発現を失って免疫抑制能が低下する現象「制御性T細胞の可塑性」に申請者は注目した。ただし、制御性T細胞の不均一な特性がその有効活用を阻んでいる。 そこで本研究は、実験的に血管新生と炎症細胞を誘導した高リスク角膜移植系を用い、そこで出現する制御性T細胞に対してマルチオミクス解析と機械学習との新しい連携により制御性T細胞の可塑性・不均一性に関わる分子プロファイルの挙動全貌の解明に挑む。この成果により、制御性T細胞の免疫抑制能を低下することなく、移植臓器へ安定的に誘導する免疫誘導経路の確立を目指す。 該当年度は、角膜移植後の角膜移植片を採取し、シングルセルRNAシークエンスを実施した。シークエンスされた遺伝子に対し、深層学習ならび次元削減アルゴリズムを用い、角膜移植片における免疫細胞を31個の免疫細胞のクラスターに層別化した。そのうち、T細胞の含まれるクラスターを特定し、発現変動遺伝子を解析したところ、高リスク角膜移植では、120遺伝子の増加と144遺伝子の発現の減少が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
該当年度は角膜移植後の角膜移植片サンプルを用いたシングルセルRNAseqならびにRNAシークエンスのプロトコルの確立と実施ならびに解析を開始し、進捗は良好である。COVID-19感染拡大のため、シークエンス結果の受託の遅延を認めたが、概ね進捗は良好である。
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Strategy for Future Research Activity |
角膜移植14日後の角膜移植片サンプルを用いたシングルセルRNAseqならびにRNAシークエンスにおける遺伝子発現のパターンを機械学習により同定し、免疫細胞の可塑性に関わる遺伝子群や分子経路の特定をおこう。
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Causes of Carryover |
COVID-19感染拡大により、RNAシークエンスの納期の遅延が生じた。翌年度の研究における経時的な角膜移植片サンプルに対するRNAシークエンスならびにシングルセルRNAシークエンスの試薬等に次年度使用額を使用する予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] Ex vivo-induced bone marrow-derived myeloid suppressor cells prevent corneal allograft rejection in mice2021
Author(s)
Zhu Jun, Takenori Inomata, Keiichi Fujimoto, Koichiro Uchida, Kenta Fujio, Ken Nagino, Maria Miura, Naoko Negishi, Yuichi Okumura, Yasutsugu Akasaki, Kunihiko Hirosawa, Mizu Kuwahara, Atsuko Eguchi, Shokirova Hurramhon, Ai Yanagawa, Akira Murakami
Organizer
角膜カンファランス2021