2021 Fiscal Year Research-status Report
Novel regulatory mechanisms of corneal nerves by acetylcholine in the detection of ocular dryness
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20K09814
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
益岡 尚由 金沢医科大学, 医学部, 教授 (80509307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋川 成美 (芳原成美) 岡山理科大学, 理学部, 准教授 (30511159)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アセチルコリン / 角膜 / ドライアイ |
Outline of Annual Research Achievements |
涙液の基礎分泌の調節や目の乾燥感の発生は、涙液蒸発による眼表面の温度低下を検出する角膜の冷感受性感覚神経の興奮と関連している。本研究では、はじめに角膜感覚神経の制御において今まで注目されていなかった内因性アセチルコリンに焦点を当て、アセチルコリンがどこからどのような刺激で遊離されて、冷感受性神経の温度感受性や興奮性にいかなる影響を与えているか明らかにする研究を行った。 初年度はアセチルコリン受容体リガンドを用いて、ニコチン受容体が角膜神経の発火活動を興奮性に調節していることを明らかにした。また、この調節は、ニコチン受容体のうちα4β2受容体が関与していることも確認できた。 本年度は、角膜における内因性アセチルコリンの分泌源を探るため、免疫組織染色によりアセチルコリン合成酵素(コリンアセチルトランスフェラーゼ:ChAT)を発現する細胞と神経線維の位置を明らかにした。ChATは、角膜において上皮細胞に局在しており、その細胞間隙を神経線維が走行していた。また上皮細胞層の中でも、表面と基底部でChATの発現が顕著に高かった。したがって、アセチルコリンは上皮細胞から遊離されて、角膜神経を興奮性に制御していることが示唆された。また、薬物の点眼実験で、眼表面のニコチン受容体刺激は瞬目・涙液量を増加させることを見出した。したがって、ニコチン受容体を介した神経興奮は眼不快感や涙液分泌の制御に関わっていることが予想された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
角膜におけるアセチルコリンを遊離する細胞の同定と、神経活動による変化の生理学的役割を明らかにすることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、ドライアイモデル動物を作製して、眼表面疾患におけるアセチルコリンを介した神経制御機構の変調を明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
本年度予定していた購入機器の納品が、在庫不足により年度中の納品が不可能になったため、残額が生じた。次年度中に当該物品は納品可能であるため、次年度は本年度未使用額も含めて全額使用する予定である。
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