2021 Fiscal Year Research-status Report
Identification of biomarkers for HTLV-1 associated ocular disease through a multifaceted approach
| Project/Area Number |
20K09824
|
|---|
| Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
|---|
Principal Investigator |
鴨居 功樹 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (40451942)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
| Keywords | HTLV-1ぶどう膜炎 / ATL関連眼疾患 / ぶどう膜炎 / 眼炎症 / 眼感染症 / バセドウ病 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
Human T-cell leukemia virus type 1 (HTLV-1)は、100万人前後の感染者が日本に存在し、近年世界的に注目され、世界保健機関(WHO)からTechnical reportが発刊された。HTLV-1は炎症性疾患やがんの原因ウイルスで、眼にはHTLV-1ぶどう膜炎、成人T細胞白血病（ATL）関連眼病変を引き起こすが、その発症機構は不明である。発症機構の解明のためには、HTLV-1関連眼疾患におけるバイオマーカーを明らかにする必要があるため、本研究では、イメージングバイオマーカーと分子バイオマーカーの観点から、多角的に検討を行なった。
前年度にイメージングバイオマーカーとして、ATL関連眼病変の中で最も頻度の多いATL眼浸潤の解析を行い、特徴的な浸潤形態(Knob-like ATL Multiple Ocular Infiltration sign: KAMOI sign)を呈することを発見した。今年度は、HTLV-1ぶどう膜炎の解析を進め、HTLV-1プロウイルスロード(感染細胞率)に着目した。発症年齢ごとにプロウイルスロードと眼所見を照合し解析を行なったところ、バセドウ病が背景にあるHTLV-1キャリアにおいては、若年・プロウイルスロードが低値であっても強いHTLV-1ぶどう膜炎が生じることを明らかにした。本報告は、他のHTLV-1関連疾患であるATLやHTLV-1関連脊髄症の発症要因（高いプロウイルスロード、長い潜伏期間）とは異なる新たな重要な発見であり、THE LANCETに掲載された。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
HTLV-1関連眼疾患のへの多角的アプローチとして、本年度はHTLV-1ぶどう膜炎に関する分子バイオマーカーの検討を進めた結果、HTLV-1ぶどう膜炎とバセドウ病の関係におけるプロウイルスロードの意義など、重要な発症要因を明らかにすることができた。
|
| Strategy for Future Research Activity |
今後の推進の方策としては、診療を通じてHTLV-1関連眼疾患における特徴的なイメージングバイオマーカーの検討を進めるとともに、HTLV-1関連眼疾患の発症要因となる分子バイオマーカーを探索することで、更に踏み込んだ発症機序の解明と治療標的となる分子の同定を進めていく。
|
| Causes of Carryover |
本研究期間においては、分子バイオマーカーの検討に使用する実験消耗品の購入が少なかったため。
次年度は分子バイオマーカーを中心に取り組む計画であり、計画に沿って研究費を使用していく予定である。
|
