2022 Fiscal Year Research-status Report
Identification of biomarkers for HTLV-1 associated ocular disease through a multifaceted approach
Project/Area Number |
20K09824
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
鴨居 功樹 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (40451942)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | HTLV-1 / ぶどう膜炎 / バセドウ病 / 水平感染 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
Human T-cell leukemia virus type 1 (HTLV-1)は、世界に3000万人、日本に100万人前後の感染者が存在する。HTLV-1はがんや炎症性疾患を引き起こし、眼にはHTLV-1ぶどう膜炎、成人T細胞白血病(ATL)関連眼病変を引き起こす。一方でその発症機構は依然不明の点が多い。発症機構の解明のためには、HTLV-1関連眼疾患におけるバイオマーカーを明らかにする必要がある。 前年度までに、HTLV-1ぶどう膜炎のバイオマーカー解析を進め、HTLV-1プロウイルスロード(感染細胞率)に着目し、若年・プロウイルスロードが低値であっても、バセドウ病が背景にある場合には強いHTLV-1ぶどう膜炎が生じることを明らかにし、新たなHTLV-1関連疾患の発症メカニズムを発見した。 それを踏まえ今年度は、HTLV-1ぶどう膜炎の発症に関与する可能性がある、血管内皮増殖因子(VEGF)の動態に着目した。VEGFは、眼科において失明を招く加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、近視に伴う脈絡膜新生血管などに関与する。治療としては、VEGF阻害薬を眼内に投与すること(抗VEGF治療)が有効で、世界で広く行われている。一方で、VEGFは、HTLV-1が細胞に感染することを妨げる働きがあることから、HTLV-1感染者の眼内にVEGF阻害薬を投与すると、VEGFの変動が起こり、HTLV-1が原因の眼炎症(HTLV-1ぶどう膜炎)を引き起こす恐れがある。そこで、HTLV-1感染者における抗VEGF治療の安全性を in vitro で検証した。その結果、VEGF 阻害薬投与によって、炎症性サイトカイン・ケモカイン産生の上昇は起こさず、また感染細胞と網膜色素上皮における HTLV-1 プロウイルスロード、細胞増殖能、NF-κB活性にも影響を与えないこを明らかにした。本研究で HTLV-1 感染者における VEGF 阻害薬の眼内投与の安全性を示したことで、抗 VEGF 治療を受ける HTLV-1 感染患者・医療関係者にとって有益な情報提供をすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
これまでにHTLV-1関連眼疾患のへの多角的アプローチとして、HTLV-1ぶどう膜炎・ATL関連眼病変に関するイメージングバイオマーカー・分子バイオマーカーの検討を進めた結果、新たな臨床的所見、プロウイルスロードの意義、VEGFの役割など、多くの重要な事項を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進の方策としては、これまでと同様にHTLV-1関連眼疾患における特徴的なイメージングバイオマーカーと分子バイオマーカーを探索することで、発症機序の解明と治療標的となる分子の同定を進めていく。
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Causes of Carryover |
順調に研究は進んでいるが、分子バイオマーカーの更なる検討を次年度においても継続して取り組む必要があったため。
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[Journal Article] Updates on HTLV-1 Uveitis2022
Author(s)
Kamoi Koju、Watanabe Toshiki、Uchimaru Kaoru、Okayama Akihiko、Kato Seiko、Kawamata Toyotaka、Kurozumi-Karube Hisako、Horiguchi Noe、Zong Yuan、Yamano Yoshihisa、Hamaguchi Isao、Nannya Yasuhito、Tojo Arinobu、Ohno-Matsui Kyoko
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Journal Title
Viruses
Volume: 14
Pages: 794~794
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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