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2021 Fiscal Year Research-status Report

網膜コリン作動性ニューロンで発見された新奇なアセチルコリン合成経路の検討

Research Project

Project/Area Number 20K09836
Research InstitutionNippon Medical School

Principal Investigator

金田 誠  日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (30214480)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 石井 俊行  日本医科大学, 医学部, 准教授 (10643140)
赤木 巧  日本医科大学, 医学部, 助教 (50192878)
丸山 拓真  日本医科大学, 大学院医学研究科, ポストドクター (90838103)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywordsプリン受容体 / アセチルコリン / コリン
Outline of Annual Research Achievements

P2X型プリン受容体2型(P2X2-R)とGFPを強制発現させたHEK細胞を、コリン溶液中でインキュベートし、ATPを添加するとコリン取り込みが増加することはHPLCを用いた実験で確認済みである。また網膜コリン作動性アマクリン細胞において、P2X2-Rを介したコリン取り込み機構が存在することは確認済みである(Ishii et al. 2017, J. Neurophysiol.)。
本研究ではP2X2-Rを介して取り込まれるコリンからAChが産生されるのかどうかについて、HPLCを用いて検討を加えた。高濃度コリン溶液中でP2X2-Rを強制発現させたHEK細胞にATPを作用させると、流入したコリンからAChが合成されることをHPLC法で確認することが出来た。しかしながら通常のHEK細胞では、コリン流入で生じるACh合成量を測定するには合成量が少なかった。そこで、ACh合成能を高めたHEK細胞を用いて同様の実験を行い、P2X2-Rを介したコリン流入に伴うACh合成量を定量することに成功した。またACh合成能を高めたHEk細胞でも通常のHEk細胞と同様のACh代謝系が機能していることもウエスタンブロット法で確認した。以上の実験は高濃度コリン液中で実施したため、生理的なコリン濃度に近い濃度でコリンの合成が起こるのかどうかについても検討を加えた。生体内のコリン濃度については、シナプス間隙での濃度は報告されていないため、体液中のコリン濃度を参考にしてコリン濃度を決定し、実験を行った。ACh合成能を高めたHEK細胞では、細胞外のコリン濃度を下げた時でもACh合成が増加している可能性は示されたが、合成増加を有意差をもって検出することはできなかった。以上の一連のデータをまとめ論文化した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

本研究計画ではP2X2-Rを強制発現したHEK細胞にATPを作用させ、その時に流入するコリンからAChが合成されるのかどうかについて、HPLCを用いて検討することを研究の主体として計画したものである。コロナ禍ではあったが、2021年度は3蜜を避けての研究実施体制の確立や、リモート会議で相互の意思疎通を図るシステムの確立等が想定以上に順調に機能した。このため想定以上のスピードで研究が進捗し、研究実績の項に記載したように、当初の主たる目的とする研究についての成果を、予想より早く論文化することが出来た。

Strategy for Future Research Activity

今までの研究では、細胞外のコリン濃度を下げた時にAChの合成が増加する傾向はみられるが、有意差を持って増加することは示せていない。この原因としては、培養細胞中の死んだ細胞から流出するATPによってバックグラウンドでP2X2-Rの刺激が起こっている等の可能性が存在しているためと考えている。本年度は同様の系を使って、生体内のコリン濃度に近い溶液中で生理的に意味のある量のAChが合成できるのかどうかについて様々に条件を振って再検討する。またシナプス間隙のコリン濃度については、モデル化した細胞を用いてシミュレーションを行い、シナプス間隙のコリン濃度を推定するなどの方法で推定できないか検討を進める予定である。

Causes of Carryover

コロナ禍やウクライナ情勢等の影響で物流に障害が発生し、物品の発注後の納入に一部遅れが生じたため。

  • Research Products

    (4 results)

All 2022 2021

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] P2X2 receptors supply extracellular choline as a substrate for acetylcholine synthesis.2022

    • Author(s)
      Maruyama,T., Mano, A., Ishii, T., Kakinuma, Y., Kaneda, M.
    • Journal Title

      FEBS Open Bio.

      Volume: 12 Pages: 250-257

    • DOI

      10.1002/2211-5463.13332

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] The role of P2X2 receptor for acetylcholine synthesis pathway.2021

    • Author(s)
      Takuma Maruyama, Asuka Mano, Toshiyuki Ishii, Yoshihiko Kakinuma, Makoto Kaneda
    • Organizer
      Neuroscience 2021, Annual Meeting of Neuroscience, Chicago, USA
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 網膜コリン作動性ニューロンにおける新奇なアセチルコリン合成経路の発見2021

    • Author(s)
      石井 俊行、本間 耕平、丸山 拓真、真野 あすか、赤木 巧、柿沼 由彦、金田 誠
    • Organizer
      第98回日本生理学会大会
  • [Presentation] P2X2受容体を介した新奇なアセチルコリン合成経路2021

    • Author(s)
      丸山拓真,石井俊行,眞野あすか,柿沼由彦,金田誠 P2X2受容体を介した新奇なアセチルコリン合成経路
    • Organizer
      第44回日本神経科学大会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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