2023 Fiscal Year Annual Research Report
網膜コリン作動性ニューロンで発見された新奇なアセチルコリン合成経路の検討
Project/Area Number |
20K09836
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
金田 誠 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (30214480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 俊行 日本医科大学, 医学部, 准教授 (10643140)
赤木 巧 日本医科大学, 医学部, 助教 (50192878)
丸山 拓真 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (90838103)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | P2X2型プリン受容体 / アセチルコリン / 網膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らはP2X2型プリン受容体を介してコリンが細胞内に流入する新奇なコリン取り込み経路が存在することを明らかにしてきた。コリンはアセチルコリンの前駆物質であり、高親和性コリントランスポーターを用いて取り込まれたコリンからアセチルコリンが合成されるとされてきた。そこで本研究では、P2X2型プリン受容体を介して流入するコリンからアセチルコリンが合成されるかどうかについて検討を行った。本研究には大量の細胞が必要であることから、アセチルコリン合成能を持つことが知られているHEK細胞を用いた培養系を用いて実験を実施することとした。はじめにP2X2型プリン受容体とGFPを発現させたHEK細胞を用いた培養系を確立した。HEK細胞を様々な濃度のコリンを含む溶液中で培養した後、GFP陽性細胞を、P2X2型プリン受容体を発現しているHEK細胞としてフローサイトメトリーを用いて回収し、回収した細胞中のアセチルコリン量を液体クロマトグラフィーを用いて測定した。このときコリンを含む培養液中にATPを添加し、P2X2型プリン受容体を刺激してコリンの細胞内流入を促したときに、HEK細胞内のアセチルコリン濃度が上昇するかどうかを指標として、P2X2型プリン受容体を介して流入したコリンがアセチルコリン合成に使われるかどうかについて検討を加えた。 ATPを加えてP2X2型プリン受容体を刺激したHEK 細胞内のアセチルコリン含有量は、ATP刺激を行わなかったHEK細胞内のアセチルコリン含有量よりも有意に増加していた。またアセチルコリンの合成は、生体内のコリン濃度に近い濃度でも起こることも確認できた。このことからP2X2型プリン受容体は、ATP刺激で細胞内にコリンを流入させ、流入したコリンからアセチルコリンを合成する新奇なアセチルコリン合成経路として機能していると結論した。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] The intracellular C-terminal domain of mGluR6 contains ER retention motifs.2023
Author(s)
Shimohata, A., Rai, D., Akagi, T., Usui, S., Ogiwara, I., Kaneda, M.
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Journal Title
Mol. Cell. Neurosci.
Volume: 126
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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