2020 Fiscal Year Research-status Report
PRMT5による新たなケロイド幹細胞制御機構の解明と新治療薬開発への挑戦
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20K09855
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
土佐 眞美子 日本医科大学, 医学部, 准教授 (30301568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 芳憲 日本医科大学, 先端医学研究所, 助教 (00386153)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ケロイド / 組織幹細胞 / PRMT5 |
Outline of Annual Research Achievements |
ケロイドの原因は不明であり、動物モデルが確立されていないために、特効薬の開発には至っていない。研究で使用されるのは、ケロイド由来の線維芽細胞がほとんどであった。われわれは、ケロイド組織例の約10%に異所性骨化を認めることを見出し、聖女皮膚には存在しないはずの細胞がケロイド内に存在するのではないかと考えた、その起源として、組織異常幹細胞(ケロイド真皮幹細胞)に着目した。これまでに、得られた予備知見として、ケロイド患者では、ケロイド真皮由来幹細胞におけるPRMT5発現が亢進しており、それは、第一世代のPRMT5阻害薬により、抑制されたことがあげられる。ケロイド真皮由来幹細胞やケロイド組織において、PRMT5タンパク発現が亢進しているかどうかを明らかにするために、ケロイド真皮由来幹細胞(KS)より、タンパクを抽出してWestern blot法にて、PRMT5発現を確認した。また、ケロイド組織を用いてPRMT5の免疫組織学的染色を行い、その発現分布を確認した。それぞれ、正常皮膚との比較を行った。 ケロイド真皮由来幹細胞においてPRMT5がどのような遺伝子群を制御しているのかを明らかにするために、KSにiRNAを安定発現させてPRMT5発現を抑制後、細胞から、RNAを抽出して、マイクロアレイ解析を行い、PRMT5が発現制御する遺伝子群の役割をpathway解析ソフトを用いて、発現2倍以上でp値の低い順にPRMT5標的遺伝子を絞り込んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画予定にほぼ沿って進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
ケロイド真皮由来幹細胞において、PRMT5が制御している遺伝子群の役割をpathwayソフトにて解析し、PRMT5標的遺伝子を絞り込み、その機能解析を行う。 その後、ケロイド由来線維芽細胞においてPRMT5標的遺伝子の発現抑制を行い、コラーゲン関連遺伝子(FN1, COL1A2)発現やコラーゲン合成能の抑制効果などを検討する。
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Causes of Carryover |
予定していたマイクロアレイ解析のうち、半分実施できたが、残りの半分は、サンプル準備中である。2021年度に持ち越しとなるが、しかるべきサンプルが得られたら、速やかに実行する。
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